ラブファイト


幼い頃からいじめられっ子の稔(林遣都)と、そんな稔をいつも助けてきた、男勝りの幼なじみの亜紀(北乃きい)。男子に追い回される日々から抜け出したい稔は、偶然出会った大木(大沢たかお)という男の元でボクシングを習い、亜紀よりも強くなろうとする。しかしあっけなく亜紀にばれてしまい、彼女もボクシングの虜に…。2人を温かく見守る大木や彼の昔の恋人・順子(桜井幸子)、そして大木を心酔するタケ(波岡一喜)に、稔に想いを寄せる恭子(藤村聖子)などに囲まれながら、稔と亜紀はボクシングを通して初めてお互いへの気持ちに目覚めていく――。大阪を舞台に、幼なじみの男女がボクシングを通して想いを育んでいく青春ラブストーリー。

『ラブファイト』作品情報 | cinemacafe.net

チネチッタにて。
林と北乃が出るということと、大沢がプロデュースしている青春ラブストーリーだということだけを頭に入れて観に行ったのですが、観ながら「すげーーー」と叫びたくなるほどぶっ飛んだ作品でした。作品の紹介には青春ラブストーリーとありますが、その手のものを期待していくとかなり裏切られることになると思います。それでもこの冒険心あふれる作品はとても尊敬に値するし、わたしはとても面白いなと思いながら鑑賞しました。とてもよかったです。


わたしにとって北乃と言えば、「幸福な食卓」の大人しそうな中/高校生のイメージが強かったし、今回もその時と見た目は大して変わっていないこともあって何となくそのイメージを頭に残しながら見始めたのですがもうびっくり。回し蹴りやパンチ、時には固め技を駆使してケンカに明け暮れる彼女の姿にしばらく口をポカーンとして見入ってしまいました。言い訳になってしまうのですが、普通こういった若手の女優にこういうアクションシーンをやらせると大抵安っぽいというか全然強そうに見えなかったりするわけですが、この作品の北乃からはそんな弱そうオーラは一切出ていなくてパンチやキックも腰が入っていてとても様になっていました。あれ、絶対痛いと思う...。きっとこの作品に出るにあたってものすごく練習したのだと思いますが、こういう地味に伝わる部分というものを大事にしていることがこの作品の面白さの底上げになっているんだなと感じたわけで、本当にすばらしかったです。
そんなわけでとてもよかったのですが、そんなすばらしいアクションシーンの中で唯一直視出来ないものがあったのです。それは北乃が回し蹴りをするシーンのほぼすべてなのですが、制服を着たままで上段回し蹴りをするとスカートをはいているので見えちゃうものがあるじゃないですか。もちろん撮影用なので見えてもいいんでしょうが、なぜかこれがものすごく恥ずかしいんです。実際に見てその恥ずかしさを実感していただければ、この思いは共有出来るんじゃないかと思うのでぜひ一度鑑賞してください。
このシーンのおかげで、たぶんDVDが出たら売れるんだろうな...なんて事を考えてしまった自分が少し嫌いになりました。。。


さて。この作品は脇を固める人たちやその人たちのサイドストーリーもとてもよくて、大沢たかお桜井幸子の話はじわじわとその良さがしみてくるようでした。特に大沢はこの作品で一番適役だったんじゃないかと思うくらいすごくよかったです。


わたしが一番この作品をこの作品たらしめているのはラストのシーンだと思います。
もうこのシーンを考えた人や撮った監督は変態過ぎます。もうわたしはこのシーンを全力で褒めたいし、すべてのシーンがこのラストできっちり納められてしまうことに感動しました。最高。近くで上映されたら絶対にもう一度観にいきたいです。


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