2008年下半期も残るところわずかとなりました。
とは言ってもまだまだ残り10日もありますのでこれから観る作品もあるとは思いますが、とりあえず忘れないうちによかった作品のリストアップをしておきます。上半期を含めた今年一年分のまとめについては前に予告したとおり12月30日くらいにアップする予定です(上半期のまとめはこちら)。
[追記]
各作品のタイトルの下の日付は鑑賞日で、その日付のリンクは感想記事へのリンクになっています。
[追記2]
各作品について一言ずつコメントを記載しました。
1. 百万円と苦虫女
蒼井の、蒼井による、蒼井のためのロードムービーでした。
拘留されたり海の家で働いたり桃娘にされかけたりと、人と深く関わることを避けて放浪しているのにどこに行っても厄介事に巻き込まれてしまう蒼井がかわいくてとてもよかったです。賛否が分かれた終わりについてもわたしはすごく好きで、これからも前向きに生きていこうと思える作品でした。
彼女のファンを自認しているのにまだこの作品を観ていない人は今すぐ上映している場所を探して(公式サイトに劇場一覧があるのでここを見てください)観てください。
2. REC
今年はパニックホラーを含めて怖い映画は何本か観たのですが、これが一番怖さと面白さのバランスが取れていてよかったです。
当初はたくさん居た仲間がひとりふたりと減っていき、さらに減ってしまった仲間が今度は襲う側にまわるというのは本当に怖くて泣きたくなるのですがわたしは泣かずに最後まで観ました。まあ正直に言うとかなり本気でびびってしまった私は、最後の方はすぐに逃げ出せるように立ったまま映画を観賞していましたが、そのくらい怖かったです。
当然わたしの座っている席よりも後ろには誰もいませんでしたので誰かの邪魔になったりなどしていませんが、今思うと立ってみたところで何の意味もないような気がしてきました。
# 座席はこんな感じでした
スクリーン
○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○◎○○○○○
○○○○◎○○○○○◎○○
○○○○○○○○○○○○○
○○◎◎○○◎○○◎○○○
○○○○○○○○○○○○○
○○○◎○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○俺○○
○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○
○ − 空席
◎ − 誰かが座ってたとこ
3. 言えない秘密
本当に偶然鑑賞したのですが、この偶然にはかなり感謝しています。
先入観どころか期待も何もしていない状況でこの作品を観たのですが、もうびっくりしてしまいました。観始めてしばらくはただの青春映画だと思っていたのですが、その後の展開に唖然とさせられました。それまでの展開もその後の展開も全部よかったです。
4. パコと魔法の絵本
映像がとにかく多彩でおもしろくてまさに絵本の中の世界が飛び出してきたようなそんな作品でした。
あの色彩表現には圧倒されました。世間ではアヤカ・ウィルソンが大好評でしたし私もすごくよかったと思いますが、やはり役所広司さんが一番よかったのではないかと思っています。子どもと観ても恋人とみても楽しめるようなクオリティでした。
5. おくりびと
納棺士という世間一般にはあまりなじみのない仕事をピックアップする点に驚いたのですが、奇をてらうものではなく死というものやそれを取り巻く人々と向き合ったすばらしい作品でした。それにしてももっくんはいい役者だなーと思います。
7. ゲット・スマート
ものすごい大金(予算なんと80億円!!)をかけてこんなばかばかしい作品を作ってしまったということが一番笑うべきところかも知れません。ただしお金がかかっているからというわけではありませんが、掛け値なしにおもしろかったです。
あとはアン・ハサウェイがかわい過ぎて失神しそうになりました。
8. イントゥ・ザ・ワイルド
見終えて、自分らしく生きることの意味とか自由とか責任とかそんなことを考えさせられた作品。最後は自分が生きたいように生きるべきだよねというのがこの作品から私が得た結論だけれど、でも残された人のその後を思うと気軽に好きに生きるよとは言えないよなーというのも率直な気持ちです。何が何でも我をとおすか、それとも他者との共存を選ぶのか。家族が出来てしまったわたしは我を通せないだろうし、それも含めてわたしの人生なのだろうと納得しました。
人生を見つめなおすいい機会を作ってくれた作品でした。
9. 落下の王国
映像美という観点で観た場合、この作品は群を抜いてすばらしかったです。CG無しで撮ったというのがまったく信じられない映像が次から次へと映し出される様子はまさに圧巻の一言。象が海を泳いで渡る様子を水中から映しているシーンがあったのですが、あれがとてもよかったです。
強烈にひきつけられるストーリーもすばらしかった!!
11. 歩いても 歩いても
一見普通なんだけどちょっとだけ特別な一日。そんな一日を描いた作品なのですが、もうものすごくよかった。
久しぶりに実家に帰ったときにふと気付いてしまった両親の老いや家の老朽化がとてもリアルで胸がワシっとわしづかみにされたように苦しかったし、一言一言のやりとりがとにかく重くて重くてくじけそうになりました。
樹木希林さんが家の中で蝶を追いかけるシーンは本当に切なくて、でもどこか怖くて、あの光景がジュッとまぶたに焼きついています。生きるのってしんどいなーと思いながら、でもこんな一日こそ生きてるってことを実感出来るんだよなあ...とつよく感じました。わたしはこの作品のことを死ぬまで忘れません。
12. ラブファイト
北乃のパンチラばかりが話題になっていますが決してそれだけの作品ではないです。いや、実のところそれがかなりのファクターにはなっているのは認めますが、でも大沢たかおと桜井幸子がモジモジするシークエンスはとてもよかったし、そこはぜひ注目してほしいです。
ただし、全体を俯瞰してみると男女が本気で殴り合ったあとにキスをするというラストシーンを含めてかなり変態向けの作品であることは間違いないと思います。ものすごいインパクトのある作品でした。
13. ブタのいた教室
子どもに教えることの難しさというか歯がゆさが伝わってきてものすごくよかった。もう観ている最中、その歯がゆさにずっとムズムズしていました。子どもたちがPちゃんの扱いで議論しているシーンは必見です。子どもたちの真剣な表情ややりとりはすごいぐっと来ました。
14. WALL・E/ウォーリー
ストーリーについての説明は一切ないのにこの引き込まれ方は異常です。最初は何とも言えない感想しかもたなかったウォーリーが見終えたときにはものすごくかわいく見えるようになったというのもすごいよなーと感心してしまいました。
ぜひもう一度観たい作品。
上半期もとてもよい作品が目白押しでしたが、下半期はそれ以上に良作ぞろいとなりました。
一番最近観たWALL・Eがかなり強烈だったので今はその印象ばかりが残っていますが、思い返してみると「言えない秘密」と「トウキョウ・ソナタ」、「歩いても 歩いても」という邦画+台湾映画というアジア系作品のよさが突出していた印象を受けました。ただ全体を眺めてみるとどうしても鑑賞した作品や気に入った作品が昨年にくらべて邦画に偏重している傾向は見られまして、たぶんそれは単館系の作品があまり観れなかったのがその影響かなとは思っています。
今年も残りあと10日ですが、このリストに加えられるほどの良作に出会えたいものです。