言いたいことが言えない人

「嫌われたくないけど、認めてもらいたい。でも自信がない」――人づきあいがヘタな人の心理を、「シャイ」という典型的症例から解読。

言いたいことが言えない人 | 加藤諦三著 | 書籍 | PHP研究所

「言いたいことが言えない人」、つまり、恥ずかしがりやの心理について解説した一冊。
自他共に認める「恥ずかしがりや栃木県代表」のわたしとしては、なぜここまで自分は恥ずかしがってしまうのかその原因が知りたくて手に取りました。


この本ではさまざまな書籍やアンケート結果からなぜ恥ずかしがる人とそうでない人がいるのかということを説明しています。
それで、この本の内容を一言でまとめると「恥ずかしがりやなのは家族(特に両親)のせい」だということだそうです。
母親が十分な愛を与えなかったせいで幼児性を満たせなかったために、素の自分を愛されるということを知らず、その結果他人に迎合することばかりで言いたいことが言えなくなるのだそうです。
対して、父親はどうなのかというと、火遊びなどのやってはいけないことをしてしまったり相手の機嫌を損ねてしまったときに怒った父親に殺されるかも知れないという恐怖心を抱くのですが、それが強過ぎるとその恐怖を乗り越えられず、結果他人との関係作りには常に恐怖心が芽生えることになって人間関係の生成を阻害するようになるそうです。


分かるんですよ。親の存在がすごく大事だということも親の態度や考えによる影響が大きいってこともどっちもすごく理解出来ます。
でも30才を超えた人間が「おれがはずかしがりなのは親のせいだ」なんて言えないし、もし仮に親の影響があったとしても親から離れて過ごしてきたこの10年間でちゃんと克服出来るようにならなかったのか...と余計落ち込んでしまうのです。
もちろんそれが真実だとすればわたしはそれと向き合わないといけないのですが、何だかわたしが知りたかったこととはずいぶん違うなーというがっかりする思いが大きくてしょんぼりしながら読みました。


ひとつこれからの人生に活かせることがあるとすれば、それは子どもへの接し方のアンチパターンを理解出来たという点です。
最近すでに恥ずかしがりやの雰囲気を漂わせているハホ*1には、もっともっと愛情をふりかけてみようかなと考えるきっかけになりました。


この本を読んでいて、この根拠がよく分からないのにやけに断定的な書き方の文章をどこかで読んだことがあるな...と感じていたのですが、この本の著者と同じ人でした。



感想リンク


「言いたいことが言えない人」というのはつまりは自らをさらけ出せずに恥ずかしくがってしまう人のことであり、その視点で考えると同じことを書いているんだなと納得しました。

*1:長女