カメレオン


[カメレオン]――危険をいち早く感知し、その場の状況・感情により素早く体を変色させ、狙った獲物を捕らえる生き物――。まるでカメレオンのように、いくつもの表情をもち、ときにはゾッとするほど冷めきった顔を垣間見せる伍郎(藤原竜也)。ある日いつものように完璧に獲物を騙しきった伍郎たちが偶然、拉致現場に居合わせてしまったのをきっかけに、暗い闇の連鎖が動き始める…。『デスノート』シリーズの藤原竜也主演、『亡国のイージス』の阪本順治が贈る、激しく壮絶なクライム・アクション。

『カメレオン』作品情報 | cinemacafe.net

MOVIX宇都宮にて。
邦画でクライムアクションというのも珍しくて興味が沸いてきたので見てきました。始まって早々のぶっ飛んだ展開でぐっと心をつかまれてしまい、あっという間に2時間が過ぎ去ってしまいました。犯罪をテーマにしているだけにすっきり爽快というわけにはいきませんでしたが、破天荒な展開を見ているだけでとても愉快な気分になりました。非常に面白かったです。


本作の一番の見所は藤原竜也演じる伍郎のイカレっぷりだと断言出来ます。
なんていえば一番伝わるのか分からないのですが、素性/過去の分からない一人の人間のメタなイメージというか、そんなものをとてもうまく体現していたのではないかと感じます。
彼は見てのとおりかなりのイケメンですし、話題作となった「デスノート」にも出ていただけに、見る側の偏見というか先入観を破壊することは容易ではないと想うのですが、今作で演じた役では見事に新しい彼の姿を見せ付けているようでとても感銘を受けました。デスノート以上に彼の魅力が詰まっている作品と言っても間違いありません。


実は今回の作品を観る前に、ネットで話題になってた動画を見ました。



これを見た時にずいぶん無茶な役を受けたものだと感心しましたが、今回の作品を観て腑に落ちたような気がします。
彼は自身に対する先入観を積極的に壊したいというよりも、むしろ今までやったことのない新しい役作りに取り組んでみたいという意識の強い人なんだろうと感じました。
何て言うか、あれだけ端正な容姿ですし、何よりヒット作で人気を確立してしまったことで自分はこういう役が向いていると固執してしまってもそれはそれでしょうがないことだと私などは考えてしまうのですが、そうではなく前向きに次へ向かう姿勢にとても惹かれました。


元々は松田優作さんを主役にすえて撮りたいという想いから書かれた脚本らしいのですが、たしかにそんな雰囲気の感じられる作品でした。映像についても、そのあたりを意識してなのか、何となく昔の邦画っぽい印象を受けました。
それもまた新鮮さを感じさせる要素でとてもよかったです。

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