2013年に読んだ中から大好きなエントリーを12つ選びました


(追記) 1つ入れ忘れていたので追加します。



2013年もいよいよ12月に突入しました。

今年は喪中なので年賀状を書く必要がない(というか書けない)ために、どこか年末らしさが欠けているように感じてます。
例年は12月29日まで仕事で、30日の夜中に徹夜して年賀状を書きあげ、31日に中央郵便局へ投函しに行くということを繰り返していたのですが、今年はそんなドタバタした年末とはおさらばですね。嬉しいような寂しいような....。


さて。

昨年から「その年に読んだ好きなエントリーを選ぶ」という企画を始めてみました。


企画と言ってもまったく大げさなものではなくて、読んですごく気に入ったエントリーをEvernoteにクリップしておいてそれを放出するという簡単なお仕事で出来上がるエントリーです。やりたかったのは「この一年間に読んだエントリーを振りかえりながら過ぎゆく一年をあらためて振りかえる機会にしよう」というただそれだけのことでして、それ以上でもそれ以下でもありません。


とりあえず11つのエントリーを選びましたのでご賞味いただければと思います。

「風立ちぬ」のせいでこれからサバを食べる度にときめいてしまう気がする(インターネットもぐもぐ)


一番好きだったのは結婚式のシーンだ。花嫁衣裳を着た彼女がしずしずと離れへ渡ってくる。近づいてくる足元だけが見えてて、きれいな着物を召した彼女の姿はすりガラスの向こうにうっすら透けてて、がらっと戸が開いて色が一気にぶわってなるあの瞬間。こういう瞬間て誰の人生にもあるよね。舐めるように思い出す一瞬の輝き。

「風立ちぬ」のせいでこれからサバを食べる度にときめいてしまう気がする - インターネットもぐもぐ


風立ちぬ」の感想はたくさん読みましたが、その中でも一番好きな感想です。
結婚式のシーンはわたしも大好きであそこだけずっとリピートして観たいなと思うくらい気に入っているのですが、上で抜粋した部分の感想はあのシーンを観たときに自分の中にわきあがってきた感情とぴたりと一致するくらいうまい言い回しだなと感じています。


『考える生き方』を読んでわしも考えた(メモリの藻屑 、記憶領域のゴミ)


もちろんfinalventさんと自分を同列に並べるなど僭越も甚だしいが、むしろ逆にfinalventさんはこの本を読む多くの人に、自分とこれを読む人とは同列みたいなものだと思ってもらいたいし、そういう立場から、「人生、成功はしないかもしれないけれど、考えて生きていけばなんとかなるんじゃないか。なんとかなって、日々、それなりに生きている実感みたいなものを考えて見つけていけたら、それでいいんじゃないか」と言おうとしているのだ。まあオレはだからといって「よし!今日から考えて生きよう!」とはすぐ思わない程度にひねくれた人間ではあるが、成功でも幸福でもなく「生きている実感を感じたい」というのは、本質的なことだよなあ、ということは共感できる。

2013-04-12 - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ


わたしも「考える生き方」はすごく好きな本ですが、著者と同年代の方が読んだ感想というのはまた視点がまったく違っておもしろいなと思いました。昨今は年齢を超えたフラットな関係が築きやすくなっていて、年の離れた人と接したり影響を受ける機会が増えていますが、何だかんだ言ってもやはり同年代、同年齢の人から受ける影響というのが一番大きいんじゃないかなとわたしは思っています。

このエントリーを読んでいたら「考える生き方」をまた読みたくなって再読しちゃいました。


「茨城出身です」「わかる気がするw」プロブレム(べにぢょのらぶこーる)


つまり、「茨城出身です」「わかる気がするw」の意味は、「あなたのことはよく知らないけど、人より劣った属性の持ち主だということはひと目でわかった」という、四次元における嘲笑なのです。優越感にひたっている感じが伝わってきて複雑な気持ちになってしまいます。

「茨城出身です」「わかる気がするw」プロブレム - べにぢょのらぶこーる

北関東在住者としては首がちぎれんばかりに首肯して同意せざるを得ない案件。


下半身が32年フリーザなんですけど、「iroha」発売されたので、ザーボンさんドドリアさん行きますよ!(エロマンティック)


しまってこー!
おー!


なんつって守ってきた私の下半身が、もう、しまりっぱなし。

こんなにしまっちゃうと思わなかった。
軽い気持ちで掛け声とか、かけるんじゃなかった。

下半身が32年フリーザなんですけど、「iroha」発売されたので、ザーボンさんドドリアさん行きますよ! - エロマンティック


テンポの良さと単語選びのセンスの秀逸さは他の追随をいっさい許さない圧倒的なクオリティを見せつけたエントリー。
内容はともかく、文章のおもしろさという点においては今年一番の感動作。すごいし死ぬほど笑わせてもらいました。



『グレーのフードは孤独のメタファー』っていう話(映画感想 * FRAGILE)


最近、映画を見ていて『グレーのパーカーを着ているひとは、孤独であることが多い』というのに気づいたんですね。それで、語呂も良いので『グレーのフードは孤独のメタファー』だとえんえん申し上げておりました。

『グレーのフードは孤独のメタファー』っていう話 | 映画感想 * FRAGILE

まったく気づいていなかったのですが、言われて見るとたしかにそういうイメージがあるなーと妙に説得力があってびっくりしました。
こういう気付きのある、もしくは今後生きていく中でふとした瞬間に思い出すようなことを示唆するテキストってすごく貴重だと思います。


生き人形の些末な拒絶(傘をひらいて、空を)


 あの、ここいいですか。どうぞ。ありがとうございます、待ち合わせですか、えっと、無視ですか、困ったな、超きれいな人がいると思って来ちゃったんですけど。へえ、ナンパってカフェの相席でもやるんですね。ええもう、やりますやります、ありがとうございます。何がありがとうなんですか。とりあえず口きいてくれたから。なるほど、とにかくなんでもいいから反応があれば、無視よりはずっとまし、ということですか。そうです、とっかかりがないと、もう、どうしようもないんで、こっち見て口きいてくれるのが、もううれしくって。狂気の沙汰ですね。

生き人形の些末な拒絶 - 傘をひらいて、空を


自分で文章を書いてみるとわかるんですが、会話ってすごくむずかしくてどちらがしゃべったのかを分かりやすく書くのはわりと至難の業です。もちろんセリフの前に「誰がしゃべった」というのを明記すれば間違いなく伝わるんですが、それだと文章としてのテンポが悪くなってしまってとても読めたもんじゃないです。

それをふまえてこのエントリーを読んでいただくと、この文章がいかにすごいのかというのがわかるかと思うのですが、とにかく会話がテンポよく積み重ねられていくのが読んでいてとても心地よいです。


思い出の映画館の話(コエダメの情景)


大学2年が終わる頃、大学を辞めようと思っていた。だけど父親に止められて、学生のままでいることになった。大学に残ることを約束はしたんだけれど、やっぱりあんまりやる気はなくて、何かしなきゃなぁと思って。それで始めたのが、映画鑑賞だった。

思い出の映画館の話: コエダメの情景


いろんな人の書いたものを読んでいると、個人の体験から一般論に飛躍する人がわりと多いし、わたし自身が書いたものを読み返してみるとそうなってしまいがちです。そしてそういった「個人の体験が一般化されてしまう文章」というのは、自分の体験をあたかも世間の常識、一般的な出来事のように書いているように読めるので読んでいて鼻につくこともしばしです。

その点、このエントリーのように自身の体験をあくまで個人の体験の話として書いているとスッと読めるし受け入れることができます。
こういうふうに文章を書きたいです。


文章と個性と理解と。(かみんぐあうとっ)


思ったこと、感じたことをそのまま書く。これが一番だと思う。かっこいいことを書きたいとか読んだ人を唸らせるようなことが書きたいとか思っていても、なかなかそういう文章は書けないもの。書けないものは書けない。開き直ってしまうと良いと思う。書けないなら書けるものを書くだけ。拙くても、多少変でも、書いてみることだと思う。読む人はその人の感覚でその文章を読む。受け取り方も人それぞれちがう。完璧に想定通りに読まれるのは稀だ。言いたいことがきちんと伝わらなくて「ああああ」と思うこともあるけれど、それはそれでしょうがない。50%くらいわかってくれればそれでいいかな、と。わかってほしい、理解してほしい、と声高に叫んだところで、じゃあ自分は他の人のことをどれだけ理解しているの?どれだけその人のことがわかっているの?と。

文章と個性と理解と。 - もっこもこっ


書きたいことを書こうと思ったタイミングで書く。

これって簡単にできそうでじつはすごくむずかしいとわたしは思います。「もうちょっと文章を整えてから...」とか「もっと行間を補足してから...」なんて言って書き足したりなおしたりしているうちに、あっという間に時間が経ってしまうことがしばしばあります。

変なのに絡まれたり叩かれたりするのが嫌だし、公開するのであればよりよいものを...と思ってしまうのですが、そんなことよりも「とりあえず書きたいことを書いて公開しよう!」と思えるよいテキストだと思います。


思い出して「わーーっ」てなるクリスマスの話。(Ukeyの日記)


そしてまた「わーーっ」ってなる思い出が蘇った。

ブクマがつくからって過去の恋愛話ばっか書いててデメリットはないのだろうか。

いいのかこれで。

矜持はないのか。

分からない。

http://ukey.hatenablog.com/entry/2013/10/18/113658


わたしも過去の失敗を思い出して「わーっ」となることが多いのですごくわかりますが、これはすごいな....。


剛力彩芽の彼岸(白井山羊太郎日記)


以前どなたかが言及しておられたとおり、剛力彩芽さんの澄ました表情や押し黙った表情、凜とした冷たさを感じる表情などをみていると往年の山口百恵を思わせる雰囲気があります。しかし、笑うと不味い。非常に不味い。笑顔の天真爛漫さで魅せるアイドルといえばガッキーこと新垣結衣さんなどをあげることができると思いますが、やはり新垣さんに代表するように、笑顔で人の目を惹くには相応の顔面偏差が必要になってくる。

http://nubaotoro.hatenablog.com/entry/2013/10/07/235854


一時期、ネットでは剛力さんをやたら叩く風潮がありましてひどいのになるとブサイク呼ばわりしている人もいましたが彼女は決してブサイクではないし個性的で魅力的だと私も思っていました。でもそのことをどう説明すれば他の人に分かってもらえるのだろう?と思っていたところにこのテキストに出会って「これだ!」と思いました。

すばらしい観察眼とその観察した結果を読み手に正しく伝える文章力の高さが生み出した今年一番見習いたいエントリーです。


『Yosino & Lucif Forever』(私設刑務所 CHATEAU D’IF)


 昨年あたりだったか、ふと「はてな婚」なる言葉があるのを知ったのですが、この度、私もはてなダイアリーで知り合ったid:yosinoteさんと入籍致しましたので、ご報告させていただきます。

『Yosino & Lucif Forever』 - 私設刑務所CHATEAU D'IF


ご結婚されたお二人とは2年前くらいからブログやtwitterで仲良くしていただいていましたが、わたしが大阪に遊びに行ったとき、またはお二人が関東に来られたさいにはいっしょにご飯を食べたりとオフラインでも交流させていただいていました。ルシフさんとは年齢が近いというか77年/78年生まれの同い年なので、いつもライバル心を交えて仲良くさせてもらってます(言い過ぎ)

ハッピーがにじみ出ているとしか思えない幸せいっぱいのエントリーでした。ごちそうさまです!



「ナオト・インティライミ冒険記 旅歌ダイアリー」見たよ(子持ちししゃもといっしょ)


おもしろいかどうかはさておいて、インティライミさんの人となりやコミュニケーション能力を中心とした人間力のつよさはすごく伝わってくる作品でした。わたしは映画自体のつくりは好きじゃないのですが、彼のキャラクターや楽曲もろもろはとてもいいなと思いました。ただ、映画の中身をよく吟味すれば、海外でやったことは「フェス乱入」か「突発的なハプニング頼み」だけというところはちょっといかがなものかと思います。おもしろかったからいいけど。

「ナオト・インティライミ冒険記 旅歌ダイアリー」見たよ - 子持ちししゃもといっしょ


自分の書いたエントリーもひとつくらい混ぜてもばれないだろうと思ってつい載せちゃいました。
これを書いたせいで監督に怒られるというたいへんめずらしい経験もしました。監督ごめんね。


まとめ


一年ってほんとあっという間ですね...。



(関連リンク)