「婚活したらすごかった」読んだよ

婚活したらすごかった (新潮新書)

婚活したらすごかった (新潮新書)

突然、結婚したくなった四十代バツイチの著者が婚活で遭遇したのは、想定外の個性あふれる面々だった。初対面でホテルに誘うCA、情が深過ぎる銀座ホステス、八歳もサバを読むアナウンサー、詐欺スレスレの輩、やたらとムサい男たち……。現実はものすごいことになっていたのだ。ネット婚活、お見合いパーティー、結婚相談所、海外婚活の現状を体当たりで取材した前代未聞、抱腹絶倒ルポ。超実用的婚活マニュアル付き!

石神賢介 『婚活したらすごかった』 | 新潮社

わたしは8年前に結婚をしているのですが、妻とは大学4年生のときから付き合っていて働き出してから2年目ですぐに結婚しましたので、いわゆる婚活というのはしたことがありませんでした。ちなみにものすごくどうでもいい情報をひとつ付け加えると、わたしはお見合いというものを一度経験してみたかったのですが、残念ながらいまだその夢はかなっていません。いまだ...というか、さすがにもう無理なんですけどね。


結婚することに決めた当時のことを思い出してみると、結婚すること自体に一度も疑問をもったことはなくて、生活を共にする相手がいるから一緒に住むし、一緒に住むんだったらもう結婚しちゃった方がいいよねなんてことしか考えていませんでした。

そんなわけで深く考えることなくあっさりと結婚を決めたものの、妻はいつも優しいし子どもたちも超キュートなので結果としてはすごくいい選択だったし、タイミングもよかったなと思っています(自画自賛)。


さて。
そんな自己紹介はさておいて、、最近よく耳にしていた「婚活」というキーワードが自分にはいまいちピンとこなくて、どういうものなのか興味をもったので本書を手に取ってみました。

そんな本書ですが、再婚相手を見つけるために婚活に挑んだ40代男性の経験談がとても丁寧にまとめられていてとてもおもしろかったです。

正直に言うと読む前はネタ的な本なのかと思ってましたが、自身の婚活体験をベースに、さまざまなエピソードやそこから得た婚活の実情がおもしろくまとめられていたのはすごくよかったです。本の帯に書かれていた「初対面でSMを要求してきたCA」や「300円を割り勘しようとした男」の話のような過激な人たちの話はそれほど多くなくて、それよりも結婚相談所やそこに関わる人たちの現実をきっちりと調べてまとめられていてかなり興味深く読みました。


また「なぜ婚活サイトや結婚相談所ではいい男性が見つからないのか?」ということや「そもそもそういった場所に本当にいい男性はいるのか?」といったことや、そこから見えてきた男女の婚活の違いなんかの考察にはなるほどなと感心しきりでした。


話は少し変わりますが、先日男性の生涯未婚率が調査以来初めて2割を超えたというニュースが出ていました。

50歳時点で一度も結婚したことがない人の割合である生涯未婚率(2010年時点)は、男性20・1%、女性10・6%と、初めて男性が2割台、女性が1割台に達したことが30日、わかった。

大手小町

生涯未婚率という言葉は初めて聞いたのですが、5人に1人は結婚をしなくなったと言われると、結婚しないことはもはや珍しいことでもなくなったなという気がしてきます。


ところが、本書を読んでみると世の中にはこれだけ結婚したくていろいろと活動している男女が多いこともひとつの事実として見えてわけで、なにやらその事実と現実のギャップにはたいへん驚かされるわけです。結婚したい男女がこれだけたくさん世の中にいるのに、マッチングがうまくいかないがためにそれぞれが結婚しないまま年を重ねるというのがとてももったいないことのような気がしてなりません。

現代は男女ともに一人でも生活ができるだけの便利さが手に入る世の中なのですから、結婚という枠組みに過剰にこだわることはもったいないと感じたりもするのですが、それでも結婚という「家庭というコミュニティを構築する権利」を得ることには今でもそれなりに意味があるんだなとしみじみ思ったりしています。