2011年に読んだおもしろかった本20冊

さっき数えてみたら今年読んだ本は157冊で、読んだページ数は47,418ページでした(読書メーターで調べました)。



ただ、再読した本もありますし、コミックも10冊くらい入っているので純粋に冊数だけで言えば、120冊くらいしか読んで無さそうなんですが、その中からとりわけおもしろかった本を20冊選んで並べてみました。


ルール

新作・旧作関わらず「今年私が初めて読んだ本」から選ぶことにしました。
ジャンルは小説限定です。新書やビジネス書は20冊くらいしか読んでないですし、実用書と小説を並べて順番付けするのは嫌だったので今回は小説限定にしました。
あと再読も対象外です。ただし、今年初めて読んだのであれば超古い作品でもOK牧場というルールです。



1位  チョコレート・コスモス

チョコレートコスモス (角川文庫)

チョコレートコスモス (角川文庫)

映画を観るようになってからずっと抱えていた「演じるってなんなんだろう?」という疑問について、あらためて考えてみるきっかけになりました。恩田さんらしい緻密だけれど全体も把握しやすい文章はとても読みやすかったし、何よりもどう結末に結びつけるのかまったく予想もつかなくて大変たのしく読みました。

「チョコレートコスモス」読んだよ - 子持ちししゃもといっしょ

(感想)2011/08/17

2位 タイニー・タイニー・ハッピー

3位 「氷菓」/「愚者のエンドロール」/「クドリャフカの順番」/「遠まわりする雛

氷菓 (角川文庫)

氷菓 (角川文庫)

愚者のエンドロール (角川文庫)

愚者のエンドロール (角川文庫)

クドリャフカの順番 (角川文庫)

クドリャフカの順番 (角川文庫)

遠まわりする雛 (角川文庫)

遠まわりする雛 (角川文庫)


古典部に所属する高校生4人が学内外で起こるさまざまな不思議な出来事を明らかにしておくシリーズモノの作品。
個性的でなにひとつかみ合わない4人ですが、全員が集まることで奏でられる得も言われないほど心地よい関係があまりにすばらしくて繰り返し読みたくなりました。


(感想)2011/3/30

4位 きみの友だち

きみの友だち (新潮文庫)

きみの友だち (新潮文庫)

読み始めてしばらくは誰の視点なのかがいまいちわからなくて戸惑ったのですが、徐々に浮き彫りになる本作の主張には心の奥底から共感をおぼえ、そしてその伝え方のうまさに感動し、そしてこの物語につよく感銘を受けました。人は一人では生きていけないけれど、だからといって大勢の中に混ざって生きているから孤独じゃないかと言えば決してそうじゃないというのは本当にそのとおりだと思うし、そういう意味では「みんなぼっち」という造語にはなるほどと思わされたのでした。

「きみの友だち」読んだよ - 子持ちししゃもといっしょ

(感想)2011/7/24


5位 モダンタイムス

モダンタイムス(上) (講談社文庫)

モダンタイムス(上) (講談社文庫)

モダンタイムス(下) (講談社文庫)

モダンタイムス(下) (講談社文庫)

本作は同著者の「魔王」という作品の50年後を描いた作品でして、いまや当たり前になった「検索」という行為を通じて監視される社会の怖さを描いています。自分が何かを知りたいと思ったときに、人に聞くのではなくインターネットで検索することが当たり前になったことで、その行為を通じて人の行動を監視できるようになった社会のおそろしさがとても伝わってくる作品でした。これは日常的にインターネットにつないでいる人であればひやりとせずにはいられない設定ですし、目のつけどころがすごくいいなと感心させられました。

「モダンタイムス」読んだよ - 子持ちししゃもといっしょ

(感想)2011/12/13

6位 初恋ソムリエ / 退出ゲーム

退出ゲーム (角川文庫)

退出ゲーム (角川文庫)

主たる登場人物は穂村チカと幼馴染の上条ハルタ、そして二人を取り巻くさまざまな人たちという構成でして、「氷菓」シリーズ同様に文化系の部活に所属する人たちが中心となって物語は紡がれていきます。

主役の二人にはそれぞれにしっかりとした役割をもたせつつ、それを中心に謎をもちあげてはうまく解決していくそのプロセスをおもしろおかしく描いていて楽しく読み進めることができました。

「退出ゲーム」/「初恋ソムリエ」読んだよ - 子持ちししゃもといっしょ

(感想)2011/10/03

7位 アシンメトリー

アシンメトリー (角川文庫)

アシンメトリー (角川文庫)

ちなみに、ここまで書いて思い出したのですが、わたしが対称的なものよりも非対称的なものの方がおもしろい!と思うようになったきっかけとして、物理学のひとつのトピックである「CP対称性の破れ」が関係しているんじゃないかという気がしています。これは宇宙にはなぜ粒子と反粒子が同数だけ存在しないのか?ということを説明する際に出てくるトピックなのですが、このアシンメトリーな特性が無ければ粒子と反粒子はすべて対消滅してしまい、この宇宙はなかったかも知れなかったんですよね。
そう考えると、やはり完全ではないことがあたらしいものを生み出すきっかけを作っているんだなと思うし、シンメトリーであることよりもアシンメトリーであるものの方がおもしろくていいなと思ったのでした。

「アシンメトリー」読んだよ - 子持ちししゃもといっしょ

(感想)2011/11/11

8位 魔女の笑窪 / 魔女の盟約

魔女の笑窪 (文春文庫)

魔女の笑窪 (文春文庫)

魔女の盟約 (文春文庫)

魔女の盟約 (文春文庫)

個々に読むよりも続けて読むと面白い作品でしたので、読もうという場合には2冊を手元に準備してから読みはじめることをおすすめします。

「魔女の笑窪」/「魔女の盟約」読んだよ - 子持ちししゃもといっしょ

(感想)2011/03/27

9位 アウトバーン

アウトバーン 組織犯罪対策課 八神瑛子 (幻冬舎文庫)

アウトバーン 組織犯罪対策課 八神瑛子 (幻冬舎文庫)

夫を亡くしたことをきっかけに生きざまががらりと変わった女性刑事が主人公として活躍する本作ですが、そのハードボイルドなかっこよさと読み手を惹きつける先の読めない展開があまりにおもしろくて一気に最後まで読んじゃいました。わたしが過去に読んだ本でいうと、大沢在昌の「魔女の盟約」「魔女の笑窪」が登場人物的にも世界観的にも近い印象を受けたのですが、こういう「自分が住んでるこの世界にも別世界の出来事のようなすごいことが行なわれているところがある」と感じさせてくれる作品がわたしは結構好きなんだなということを読んであらためて感じました。

「アウトバーン」読んだよ - 子持ちししゃもといっしょ

(感想)2011/07/31

10位 わたしを離さないで

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

(映画の感想)2011/05/03

11位 対岸の彼女

対岸の彼女 (文春文庫)

対岸の彼女 (文春文庫)

12位 学校のセンセイ

([あ]6-1)学校のセンセイ (ポプラ文庫)

([あ]6-1)学校のセンセイ (ポプラ文庫)

本書はそんなものぐさな人には向かない先生という職業についてしまっためんどくさがり屋さんのお話でして、ひさびさに「これはおれだ!」と思うくらい共感をおぼえながら読んじゃいました。人と本気で関わるだなんてめんどくさいと冷めた態度で他者と接する姿や、そこからもう一歩相手に踏みこんで付き合ってみようとするに至る経緯がとても分かりやすいというか、私自身の経験とよく似ていてとてもおもしろかったです。

「学校のセンセイ」読んだよ - 子持ちししゃもといっしょ

(感想)2011/12/20

13位 八日目の蝉

八日目の蝉 (中公文庫)

八日目の蝉 (中公文庫)

(映画の感想)2011/05/01

14位 儚い羊たちの祝宴

儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)

儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)

本書はついつい結末や謎について予想したくなる短編5編を集めた短編集ですが、そのいずれも大変おもしろかったです。個人的には「玉野五十鈴の誉れ」が一番好きでして、ここだけ何度か繰り返し読みました。こういう話、好きだなあ。

「儚い羊たちの祝宴」読んだよ - 子持ちししゃもといっしょ

(感想)2011/09/07



こうやってまとめてみると、基本的に文庫でしか本を読まないために新作がほとんどないのはちょっと寂しいなと感じました。あと、感想をちゃんと書いてない本が多くて自分のことながら超がっかりしました。来年は少なくともおもしろいと思った本の感想は書き残しておきたいです。


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