「孫文の義士団」見たよ


清朝末期の香港で、革命家・孫文の暗殺計画が浮上。8人の名もなき民が、西太后が仕向ける500人の暗殺団から孫文を守るために選ばれた。運命のときは革命会議の1時間。国の未来と10億人の希望が彼らの手にゆだねられ、命をかけた死闘へと挑んでいく――。香港映画界の巨匠、ピーター・チャンの下、テディ・チャンが総合監督を務め、『インファナル・アフェア』のアンドリュー・ラウが特別監督として参加。

『孫文の義士団』作品情報 | cinemacafe.net

ヒューマントラストシネマ有楽町にて。


先日観た「イップマン」での演技がすごくよくて興味をもったドニー・イエンが出るというので観に行ってきましたが、期待以上にとてもよい作品でした。ひとつの目的を果たすために、命を張ってプロの暗殺集団と戦う人たちの姿が魅力的に描かれており、それぞれがそれぞれの役割を見事に果たしていく様子は非常にグッときました。
孫文のような歴史に名を残す人たちではありませんでしたが、彼らひとりひとりが時代を作った人間であることは疑いようのない事実であると感じたし、それを強調するように、彼らが最期を遂げたその時には名前と生没年がテロップ表示する演出は彼らの偉業を素直に称えているようでとても温かく感じられました。


ただ、そもそもが「人民全員が平等に生きられるようになる」ことを目的としているのに、それを果たすために集まった人々の命が既に平等ではないところに、わたしにはどこか矛盾があるようにも感じたんですよね。
もちろんみなが異なる役割をもって、それぞれがそれぞれの役割をまっとうしただけだというのは分かるのですが、孫文と各地方の代表が1時間の話し合いをするためだけにこれだけの人たちの命が奪われてしまったということに、違和感というか悔しさを感じたのです。
「誰もが平等」なんて夢を語りたいわけではありませんが、平等を得るための戦いに集まった人々それぞれがすでに平等ではないというところに、人間が平等に生きることの限界のようなものを感じました。


わたしの感情抑制のリミットを壊そうとするがごとく、観ている間、そして観終えて反芻するときにも情感につよく訴えかけてくるすばらしい作品でした。近くで観られる人は絶対観るべき!


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