積み重ねられた知識は宝である / Bootleg読んだよ!

「小学生映画日記」と一緒にいずむさん(id:m-ism6021)から「Bootleg」を3冊お借りしました。
明日の午前中にお返しする予定なのでその前に感想をまとめます。


Bootleg」というのは、映画クラスタブロゴスフィア、特にはてな界隈で映画に関するブログを書いている人であれば知らない人はいないほどの人気ブロガー陣による同人誌です。知っている人にはいまさらの説明ですが、本当にすごいメンバーが集まって書き上げた本です。
文学フリマで発売されるということを空中キャンプさんのところで知ってどうしても欲しかったのですが、幼稚園の行事や仕事と被ってしまい一度も行けずじまいで買えずじまいでした。ほとんど諦めていたのですが、今回お借りで来てやっと読めたわけでこの喜びはなかなか表現しきれないくらい大きいのです。


さて。
念願の本書を読んでの率直な感想ですが、普段の文体なのにブログよりもずっと想いのたけが込められている分すごく濃くて面白かったのですが、読みながら嫉妬がモクモクと湧き上がってくるのを抑えられませんでした。書き手の好きがこれほど強く込められている文章と向き合うのはすごくワクワクするのですが、でもそれ以上に自分にはその「好き」が無いことが悔しいと感じてしまったのです。


わたしは、映画を観るようになってひとつ分かったことがあるのですが、それは何かが語られる時に大事なのは語られる内容そのものではなく「語り方」と「文脈」だということです。
語り方とは「いかに語るのか」ということであり、文脈とは「どの流れで語られたのか」ということです。語られる内容自体が目新しいことはほとんどありませんし、今まで語られてないことの大半は語る価値もないから語られてないだけなんです。誰もが語りたくなる何かはいつだって同じことであって、それをどの流れでどう語るのかが違うだけなんです。


本書に寄稿をしている方々の文章を読んでいて感じるのは、とにかく語り方がうまいということです。
決められたテーマを語る場合にも、「自分の好きなものを軸にして語る」ことで「語り方」と「文脈」がとてもうまく工夫されていることにただただ感心してしまうのです。
それを実現しているのは、その方たちの中に蓄積された好きなものの知識なんです。


わたしはまだ映画を観始めて4年しか経っておらず、観た映画の総数も多くはありません。
だからわたしの中にはまだまだ語れるほどの好きがたまっていないし、そもそも私自身は結構飽きっぽく忘れやすいので知識を蓄積していくタイプでもないので、もしかしたら何十年映画を観続けてもわたしには好きを語ることは出来ないのかも知れません。
だから、こんなふうに自分の「好き」を軸としてしっかりと固定出来、それについての知識を蓄積して「好きを語れる」ことがすごくうらやましいと思うわけです。


たぶん文字だけだとほとんど伝わらないのでしょうが、本気の本気で嫉妬してますよ。
超うらやましくて地団太踏みたいくらいなんです。


だからこんな面白い文章が書けるくらい蓄積して熟成された知識というのはもう宝物だとわたしは思います(物扱いしているわけでなく、あくまで比喩的な表現ですよ!)。


わたしもいつかこんな面白い文章が書けるようになりたい!


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