「映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団」見たよ


北極で、巨大なロボットの足と謎の青い球体を拾ってきたのび太。その青い球体はたくさんのロボットの部品を呼び集めてきた。次々と家の庭に降ってくるその部品を、ドラえもんのび太は「鏡面世界」で組み立て、巨大ロボット、ザンダクロスを完成させる。しかし、のび太たちの前に突然ロボットの持ち主だと名乗るリルルという不思議な女の子が現れた! なんとザンダクロスとリルルはロボットの星「メカトピア」から地球を征服するために送り込まれたのだった――。

『映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 〜はばたけ 天使たち〜』作品情報 | cinemacafe.net

TOHOシネマズ宇都宮にて。


ラストについてなど気になるところの残るストーリーでしたが、終始観る者を惹きつけてやまないとても魅力あふれる作品でした。
リメイク元の作品自体がかなり人気・支持がある作品でしたので、今回リメイクされるにあたっても相当気を遣ったのではないかと思いますが、努力の成果もあって非常にすばらしい作品として仕上がっていました。恥ずかしいながら、観ながら何度かグッとこみあげてしまい涙が出そうになるほど引き込まれてしまいました。
リルルもピッポもすごくキュートだったし、最初は人間を奴隷にする目的で地球に来た二人が、対価を求めることなく自らを献身的に助けてくれるのび太たちに感化されて次第に人間を擁護したいという心境に移り変わっていく経過は、非常に分かりやすく、まるでリルルやピッポになって追体験しているようにその心境の変遷を味わうことが出来ました。


その変化の過程を目の当たりにし、さらに実感できたわたしは心の底からいい作品を観ることが出来たと満足しました。
ここ数年の映画ドラえもんとはちょっと完成度が違う!と興奮していろいろと情報を探したところ、こんな記事を見つけました。

ドラえもん」映画シリーズの中でも異色を放ち、シリーズきっての名作と称される「のび太と鉄人兵団」が、「新・のび太と鉄人兵団 はばたけ天使たち」としてスクリーンによみがえった。メガホンをとったのは「のび太の新魔界大冒険」に続き、本作が2作目の劇場監督作となる寺本幸代。小学生のころにオリジナル版を見たという寺本監督が込めた思いに迫った。

寺本幸代監督「ドラえもん」で垣間見させる“繊細”と“剛毅” : 映画ニュース - 映画.com

わたしが映画館で映画ドラえもんを観るようになったのは「のび太の新魔界大冒険」(もちろん新しいドラえもんです)でしたが、これ以降の3作品はこの作品以上にいいとはとても思えませんでした。それくらい新魔界大冒険がよかったのですが、今作は新魔界大冒険に負けず劣らずすごくいいと感じたのでなるほどと思わずにはいられませんでした。


では具体的に何が違うんだろう...ということを追ってみるとこんなことが書かれていました。

ドラえもん」映画史上初の女性監督――そんな枕詞でもって紹介されることが多い寺本監督。初メガホンとなった「のび太の新魔界大冒険」では、随所に見られる描写が「女性ならではの感性」と称賛を浴びた。だが、本人はそんな評価に困惑気味。「『女性らしい』という声をいただいたんですが、会社ではいつも『男らしい』と言われていまして……。そういう評価に戸惑いましたね。ただ、私はやはり、先ほど挙げたリルルとしずかの関係に代表されるような、キャラクターの感情の描写が好きなんです。心情や人と人の関係を丁寧に描くという部分で、『女性らしい』という評価がいただけたのかなと思っています」。

寺本幸代監督「ドラえもん」で垣間見させる“繊細”と“剛毅” : 映画ニュース - 映画.com

今回わたしがすごくよかったと感じたのは、リルルやピッポ、そして彼らと触れ合うのび太たちのコミュニケーションの取り方に得も言われぬ生々しさを感じたのです。そしてさらにすごいと感じたのはそういった濃密なコミュニケーションは主要メンバー間のみならず、例えばのび太のママのような本当にわずかしか出てこない登場人物にも漏れなく築きあげられたところにとても感動を覚えたのです。
出演頻度によらず、出てくる人それぞれの間にしっかりとしたつながりがあることを見せることで、舞台となっている場にリアリティを与えているのがすごくよかったと感じました。もう素晴らし過ぎる。


本当に今年の映画は素晴らしかったので、子どもだけではなく、リメイク元の作品が好きな方やドラえもんなんてしばらく観てないなという人にも観ていただきたいと思っています。好き!超好き!


公式サイトはこちら