ドム・コブ(レオナルド・ディカプリオ)は、人が一番無防備になる状態――夢に入っている時に、他人のアイデアを盗み出すという、犯罪分野において最高の技術を持つスペシャリスト。その類稀なる才能は企業スパイの世界において引っ張りだこの存在になっていた。だがその才能ゆえ、彼は最愛のものを失い、国際指名手配犯となってしまう。そんな彼に絶好のチャンスが訪れる。このミッションを果たすことさえできれば、かつての幸せな人生を取り戻せるかもしれないのだ。だがその任務はほぼ不可能に近い「インセプション」と呼ばれるものだった――。『バットマン』シリーズのクリストファー・ノーラン監督によるSFアクション。レオナルド・ディカプリオが主演で渡辺謙も出演。
『インセプション』作品情報 | cinemacafe.net
TOHOシネマズ宇都宮にて。
普段予告さえ観ずに映画を観るわたしにしては珍しく公開前に何度もこの作品の予告映像を観る機会があったのですが、これが本当に意味不明でいったいこの作品は何なんだと観るたびに頭が混乱させられました。まったくもって理解不能な予告でしたので普段であればそんなわけのわからん作品は絶対に観ることはないのですが、エレン・ペイジとジョゼフ・ゴードン・レヴィットが出ているということと、理解できないながらもどうも気になったので観に行ってきました。
細かい感想はともかくとして、今年指折りの超傑作。twitter上で「ぼくのエリ」や「マイ・ブラザー」を似たような言葉でほめたばかりなのでとても言いにくいのですが、でもベクトルは違えどもいずれも今年指折りの傑作で間違いありません。
こんなにも「ユニーク」で、「他者に説明することが難しそう」な物語をものの見事に鑑賞者に伝えきったその力量にはただただ感心するばかりです。一歩足を踏み外せば崖の底まで一気に崩れ落ちる細い道を歩くように、ひとつひとつのシーンやセリフをギリギリのバランスを保ちながらさらに高い場所に向かって積み重ねていく様にはもう言葉では表しきれないほどの感動をおぼえました。最後まで足元を踏み外すことなく、ラストまでちゃんと語りきるその力強さが本当によかった。
物語そのものも大変面白かったのですが、それ以上にそのストーリーテリングのすばらしさに圧倒された150分でした。
いまだかつて目にしたことのない世界をここまでリアルに、ここまで鮮明に表現しており、この映画を観なければ今後一生出来なかったであろう映像体験が出来ただけでも観る価値があったなと思っています。
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