「パラノーマン ブライス・ホローの謎」見たよ


舞台は、300年前に<魔女狩り>の現場になったと言われている町ブライス・ホローに住む、ホラー映画や悪霊伝説が大好きな11歳の少年・ノーマン。しかも、死んだ人たちと会話することのできる変わった能力をもっていた。そんな誰にも理解されない能力のせいで、家族関係は悪化し、学校でも毎日イジメられて、すっかり変わり者扱いされてしまっていた。そんなある日、ノーマンは疎遠になっていた叔父さんに再会し、衝撃の事実を打ち明けられ…。

『パラノーマン ブライス・ホローの謎』作品情報 | cinemacafe.net


TOHOシネマズ宇都宮で3D字幕版を観てきました。
最初はひとりで観に行ったのですが、その1週間あとにハホ*1を連れて2回目も観に行ってきました。


まず作品全体の感想としてはたいへんすばらしい作品でした。
わたしがストップモーションアニメーションが好きだという点を差し引いて考えても、これは傑作だと断言できるくらいによかったです。


死者と話すことができる多感な少年ノーマンが起こした奇跡と、それによって救われた人々の姿を描いたお話でしたが、笑わされたり怖がらされたり涙させられたりと感情があちこちに引っ張り回されるよい作品でした。ホラー映画が大好きで他の人には見えない死者が見えるというノーマンを周囲の人たちは気持ち悪がったりバカにしたりるのですが、そんなつらい状況に置かれながら日々を送っているにも関わらず決して周囲には憎悪を向けることなく、むしろ自分と同じように周囲からの無理解によって苦しめられている他者に手を差し伸べる勇気を示したノーマンの立ち振る舞いに思わず涙がこぼれそうになりました。


弱く見える人ほど強いというのは、最近観たなにかの映画で聞いた言葉なのですが、自らの弱さを自覚し、それと向き合っている人ほど強く生きているのだとわたしもそう思うし、本作を観てその思いをあらたにしました。



 こうやって静止画で観るとたしかに人形っぽさが感じられるのですが、本編を観ているときはそういった人形を見ているという印象はまったく受けないんですよね。これがもう不思議なくらい命が宿った人間のように見えるんですよ。ノーマンを始め、登場人物たちの表情はとても繊細に描かれていて、喜怒哀楽だけでなくさらにもっと細かい感情の起伏まで伝わってくるほど表現豊かに描かれているのです。


このおそろしいくらいに手間暇かけて撮られた傑作を劇場で観られただけですごく幸せだと思っています。
10年後にこの作品を映画館で観たということを自慢できる、そんな歴史に残るような作品だとわたしは確信しています。


ちなみに冒頭で書いたとおり、この映画は長女といっしょに観に行ってきました。

先日ドラえもんを観に行ったときに、ハホが劇場においてあった「パラノーマン」のチラシを見つけて観てみたいと何度も言っていたのですが、内容がややホラー寄りなうえ、字幕での上映しかなかったので8歳の長女にはちょっときびしいかなと思っていました。さすがに8歳で字幕は無理だろうと。
ただ、予告を見せても本人はだいじょうぶ、観れる!の一点張りでしてじゃあとりあえず見てみようということで連れていきました。心配していた字幕はほぼ問題なく読めていたようでしたが、ところどころ怖いシーンではメガネをおさえながらプルプルと震えていました。雷におびえる小動物のようでちょっとかわいそうでしたが、そのビビりっぷりもまたかわいかったです。大人が見ても怖いんだもん、そりゃ怖いよね。


観終わって話を聞くと、映画はおもしろかったらしくておもしろかったよと言っていました。

あれだけの字幕が読めるようになったのであれば、これからはもっといろんな映画をいっしょに観に行きたいなと、もやもや妄想しながら帰途につきました。



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*1:長女