2009年もあとわずかとなりました。「今年こそ年賀状は早めに書くよ!!」と言っていた2ヶ月前のことがとても懐かしく感じられるのですが、実のところいまだに住所録さえまとめていないというお寒い状況です。毎年毎年同じことを繰り返すのも飽きてきたので、そろそろ年賀状自動生成アプリケーション*1を作るべきじゃないかという気がしてきました。
ビジネスロジックはC#で作っておいて、いずれASP.NETでWebサービスを作って展開できるようにするのもいいなー、とどうでもよい方向に話がそれてしまいました、すいません。
さて。下半期に鑑賞した作品は85作品でした(2009/12/22現在)がその中から面白かった作品を紹介しようと思ったのですが、今期は突出した作品はそんなになかったものの、好きな作品というのはたくさんあってなかなか選びきれませんでした。
評価が横並びの作品はどうしてもどれかだけを選ぶというのが出来ないんですよねえ...。優柔不断。
以下、とりあえず選んだ16作品の一覧です(日付は感想リンクになっています)。
1. それでも恋するバルセロナ
わたしは他の人の書いた映画評をよく読むのですが、わたしが読み取れなかったことを紐解いている人がたくさんいることにいつも驚かされていました。あまりにわたしが分かっていなくて、相手の意図したところを汲み取る能力が欠けているんじゃないかと思うときもたくさんあります。
そんな中にあって、この作品は映画における監督の意思というか意図が何となく汲み取れたような気がした珍しい作品でした。
2. サンシャイン・クリーニング
本作は「リトル・ミス・サンシャイン」を引き合いに出してしまったために期待が過剰に膨らみすぎてしまってあまり高評価を得られなかった作品ですが、あんな偉大な作品と比べてしまうからよくないだけで非常に良質の作品でした。
ローズが自らの人生を立て直したいと奮起してもがく姿は何だか切なくてホント観てられなかったのですが、でも一度落ちるところまで落ちきってからの再生というプロセスの描写はすごくよかったです。
3. サマーウォーズ
第二の現実と言ってもいいくらいに発達した仮想空間を舞台に繰り広げられるひと夏(というか一晩?)の物語。
中でもコイコイのシーンがすごく好きで、DVDが出たらこのシーンを観るためだけにレンタルしようと画策中です。
4. グッド・バッド・ウィアード
予告でやってたほどムチャクチャな作品ではなく、構成がよく練られた非常におもしろい作品でした。列車を襲うシーンや日本軍との銃撃戦のシーンはものすごく楽しくて、観ているだけで元気になれる力強さを感じるたびに韓国映画はすごいなあとシミジミ感じさせられます。
5. 女の子ものがたり
観ていると、自分の幼い頃、10代の頃のことをふと思い出してしまう作品。
と書くと懐古厨御用達なのかと思われそうですが、どちらかというと自分にとって忘れてしまいたい過去を強制的に思い出させられるおそろしい作品です。わたしなんて思い出したくも無かった高校時代のことまで思い出してしまった挙句、今でも忘れられずにいます...。
7. 空気人形
実は何がよかったのかいまだに分かってなくて、たまに思い出してあれこれ反芻している作品です。
今のところ間違いなく言えるのは是枝監督とぺ・ドゥナはすごいということだけでして、どこかで再上映したら駆けつけようと心待ちにしています。
8. 私の中のあなた
家族同士だから支えあうべき、というのは案外多くの人が当然のことのように受け入れていることだと思いますし、それを疑うことすらで許されないような空気も存在しているような気がします。本作は「そんなことは当然」とされていることに対する問題提起でもあり、また、家族が家族を想うことのすばらしさを説く物語でもあります。
9. 九月に降る風
一点の曇りもない高純度な青春映画なのですが、他に類するものがないくらい絶対的に清々しい作品でした。
昨年観た同じく台湾映画の「言えない秘密」もそうだったのですが、作品の要所要所には台湾に土着している独特な空気が色濃く織り込まれていて、日本のそれとの違いや類似を感じると言いようのない心地よさを感じるのです。
あと風を「降る」と表現しているタイトルもすごく気に入りました*2。
10. わたし出すわ
地元を出た人出なかった人の対照的な描写がものすごく印象的な作品でした。作品の核として描かれるお金の使い方なんてのは一切わたしの琴線に触れなかったのですが、地元を捨てた人間をまわりはどう見ているのかというそこの表現がものすごく気になってしまいました。何かさあ、この作品観ちゃうと今の自分について考えてしまってものすごく脱力しちゃうんだよなあ....。
11. スペル
怖いんだろうなあ...(ビクビク)とおびえながら観に行ったのですが、笑いの絶えないすばらしいコメディ映画でした。
こんな婆ちゃんがいたら嫌だけど、でも楽し過ぎる!!
12. ちゃんと伝える
打ち溶け合えば合うほど互いにいろんなことを相談できるようになりますが、実は互いの距離が近くなり過ぎるとかえって大事なことが伝えられない。そんな事実に苦しむ姿と、そこから逃れようともがく姿が印象的な作品でした。
言いにくいことほどちゃんと伝える。
13. 母なる証明
オープニングの踊りからラストのバスの中のシーンまで、一度もまばたきしなかった(できなかった)んじゃないかというくらい強烈な作品。子を想う親の気持ち、とりわけ母親が息子に対して見せる執着心には背筋が寒くなります。
ダメな子ほどかわいいという言葉は正直理解できないのですが、でもこれを観ているとそういうものなのかも知れないなと思わせられます。
14. イングロリアス・バスターズ
死体の頭を削ぐシーンがやけに生々しかったり、ランダ大佐の落ち着き払った口調や振る舞いがものすごく怖かったりとわたしが苦手とするジャンルの作品のはずなのですが、もう全然そんなことはなくてすごくおもしろかったです。章仕立てにすることで時間軸のずれている物語を部分的に重ねながら描いていて、作品全体に奥行きが感じられました。
うまく言えませんが、ものすごくいい作品です。
16. 幸せはシャンソニア劇場から
時代の空気がふんだんに盛り込まれた臨場感あふれる作品でした。
目の前に広がっている映像だけではなく、その世界の中でもちゃんと時間が動いているようなリアリティが感じられて作品の中に取り込まれて見入ってしまいました。一見非常に地味な作品ですが、演出も構成もとても丁寧に積み重ねられているのが印象的でした。
-
-
- -
-
一番よかったのはダントツで「レイチェルの結婚」。
詳しい感想は今年一年のまとめの方で書こうと思いますが、最終的には一年を通してのベスト作品になりました。作品のここがよかったということも出来なくはないのですが、どちらかというと言葉では言い表せない感覚的な要因がすごく大きかったです。
-
-
- -
-
上半期もそうだったのですが、映画を観に行くのがシネコン中心になっているためにどうしても鑑賞作品が大作に偏りがちでした。
観たいなーと思っても都内にまで足を運ぶのが億劫に感じられてしまって結局観れずじまいという作品も少なからずありまして、そういう作品が増えるたびに自分の腰の重さというか、映画への熱意の足りなさにがっかりしました。
地元と県外の鑑賞比率はまた後日まとめますが、去年に比べてかなり落ち込んでいるような気がしますし、その数値こそがわたしの映画への執着が無くなりつつあることの証拠だよなと痛感しているのです。
わたしの知っている映画が好きな人たちは本当に感心するくらいマメに動き回って映画を観ているし、本当に観たいと思ったらそんなふうに行動するのが自然だと思うんですよね。わたしもそうありたいと思いながらも行動に移せていないという事実が、わたしの気持ちを重くしています。