クローズ ZERO II


不良の巣窟・鈴蘭男子高校には、未だかつて群雄割拠する不良たちを一つに束ねた者は存在しない…。OBのチンピラ・片桐拳(やべきょうすけ)らの協力を得て、“G・P・S”を旗揚げる怪物・芹沢多摩雄(山田孝之)率いる最大の勢力“芹沢軍団”を倒した転入生・滝谷源治(小栗旬)だが、残る最後の敵・林田恵との頂上決戦に挑み、敗北を喫してしまう。その数か月後、鈴蘭高校に“殺しの軍団”と恐れられている鳳仙学園から刺客が現れた。哀しき因縁を持つ両校だが、その因縁が新たなる抗争の火種と化し、固く守られていたはずの休戦協定がついに破られたのだ! 鳴海大我(金子ノブアキ)を中心に、一枚岩と化した鳳仙学園による侵攻が始まる――。

『クローズ ZERO II』作品情報 | cinemacafe.net

MOVIX宇都宮にて。


わたしはハホ*1を連れて映画を観に行くことが結構多くて、今年も4作品を一緒に鑑賞しています。
基本的にはドラえもんプリキュアなど、彼女が観たいという作品に付いて行くことが多いのですが、それ以外にもこれは一緒に観たいなと思う作品があると積極的に連れ出しています。今年は「ティンカー・ベル」や「ミーアキャット」がそれに該当しているのですが、予告を観た時のフィーリングやハホでも理解出来そうなストーリーかどうか、あとはあまり怖そうなシーンはなさそうかなど、結構いろんな判断基準を元に一緒に観る映画を選択しています。


これはいったい何の前振りかと言うと、今回この作品を観に行ったら少し離れた席に小学校に入るか入らないかくらいの男の子を連れて来ている人がいて驚いたという話につながっていきます。その子の年齢はよくわかりませんが、行動や声から推測する限りだと6歳前後ではないかと思います。そんな幼児にこの映画を見せようと思ったきっかけは一体何なのだろうとしばらく考えてしまいました。


映画を観に連れて行こうと思う気持ちや理由についてはその連れてきた本人に聞いてみないと分からないですし、それを知りたいと思うのはただの興味本位でしかないのでこれ以上むやみと追求する気はありませんが、でもスクリーンではヤンキーたちがボコボコに殴ったり殴られたりして全員血まみれの緊張感あるシーンでもその子はケタケタ笑っていたり、さらに静かなシーンでは急に大声で何か言葉を発して雰囲気をぶち壊すという状況にも何度かイライラさせられました。常時騒いでいるわけではないので文句を言うのも何だか違うよなーと思うのですが、でも自分自身が100%鑑賞を楽しめたかと言われるとそれは絶対にNoなんですよねー。
自分のペースが乱されっぱなしでとても参りましたが、でも今回の件をとおしてDVDやビデオではなくあえて映画館で映画を観る意味って何だろうということについてはすごく考えさせられたし、その点ではとても得るものが多い鑑賞でした。


長々とどうでもいい話を書いてしまったのでそろそろ映画の感想に戻ります。
テーマの近さや鑑賞した時期がとても近いことから、どうしてもこの作品と「ドロップ」は比べてしまうのですが、共に比べてみることで両者の違いや良さが浮き上がって見えてきます。
ドロップでは友達の大事さや、どうしても抑えきれない暴力への衝動といった「若さや青臭さ」がかなり色濃く漂っていますが、一方でクローズからはトップに立つことで背負う責任やドロドロした人間関係が描かれています。つまりクローズではドロップのような若さや勢いというのはほとんど表現されず、相応に成熟した形のヤンキー社会が描かれていると感じました。
「ドロップ」がポップなヤンキー映画とすれば、「クローズ」はクラシックな雰囲気のヤンキー映画と表現したくなります。テーマが同じでありながら、こんな違いを両作品から感じたのでした。


個人的にはクローズのような男臭さでむさ苦しさ満点の雰囲気の方が性に合うし、ケンカについても刃物や武器を当たり前のように使うのではなくあくまで拳メインの真っ向ガチンコ勝負推奨な空気の方がかっこよくて大好きです。そして強い奴は10人くらい平気で葬りさるくらい徹底的に強く描くのもすごくいいなと思ったし、そんな強い奴同士が拳を交える瞬間の描写もかっこよくて非常に満足しました。特に芹沢と漆原が出会ってさあやりあおうというその瞬間の雰囲気はとてもよかったです。


前作が好きだった人や、ドロップに物足りなさを感じていた人にはお奨めです。


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ドロップの感想


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*1:長女