- 作者: 恩田陸
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1999/01/28
- メディア: 文庫
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四つの高校が居並ぶ、東北のある町で奇妙な噂が広がった。「地歴研」のメンバーは、その出所を追跡調査する。やがて噂どおり、一人の女生徒が姿を消した。町なかでは金平糖のおまじないが流行り、生徒たちは新たな噂に身を震わせていた…。何かが起きていた。退屈な日常、管理された学校、眠った町。全てを裁こうとする超越的な力が、いま最後の噂を発信した!新鋭の学園モダンホラー。
http://www.amazon.co.jp/dp/4101234124
何か新しい知識を得たときに、その学んだことが活かされることほどうれしいことはないと思います。
新しいプログラム言語を学んだおかげで今まで読めなかったソースが読めるようになるのはとても興奮しますし、データそのものを見るだけではよく分からなかった大量のデータが、統計学を学ぶことでさまざまな価値ある情報として扱うことが出来ると知った時に感じた気分の高揚は今でも忘れられないほどすばらしい体験でした。
本書は先日読んだ「小説以外」という恩田さんが書いたエッセイ集に記されていた著者の読書観や考えが色濃く反映されていて、本書のあちこちに散りばめられている「恩田さんらしさ」の匂いの断片をかぎつけるごとに何だか嬉しくて一人でニヤニヤしてしまいました。このエッセイを読まずに本書を読んでいたとしたら、何も感じることのなかった部分でさえも楽しく読めて非常によかったです。
超常現象やホラーというのはわたしとしては比較的苦手な分野の作品でしたが、結末の意外性も含めてとても楽しく読むことが出来ました。ストーリー展開がうまいというのももちろんありますが、何より人物描写がすごく丁寧なんですよね。一人一人がとても立体的に描かれているので、それだけで作品の世界観に引き込まれてしまいます。
恩田さんが描く高校時代というのは本当にはずれがないと改めて感心しました。
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「小説以外」の感想