「屋久島ジュウソウ」読んだよ

屋久島ジュウソウ (集英社文庫)

屋久島ジュウソウ (集英社文庫)

ゆるゆる・和気藹々・のんびり楽しいグループ旅行のつもりで屋久島を訪れたモリエト一行。ところが、待っていたのは九州最高峰への登山だった!急勾配に泣き、杉に癒され、脳内麻薬でハイになる。初心者チームが挑むいきあたりばったりトレッキングと、海外でキレた瞬間や忘れられない味など、世界中を巡って出会ったエピソード14本の詰め合わせ。旅気分満載のエッセイ集。

http://www.amazon.co.jp/dp/4087464024

普段、読む本を選ぶときにはいくつかの選択経路があります。思いつく限りで簡単にまとめてみました。

    1. 好きな著者の未読の本を選ぶ
    2. 面白いと評判の本を選ぶ
    3. 背表紙のあらすじを読んで選ぶ
    4. その他


最近はほとんど上3つのうちのどれかなのですが、稀にそれ以外の理由で選ばれる本があります。
それが上記の「その他」に分類されるのですが、今回この本を選んだ理由も「その他」に該当する理由でした。
と言いつつも、実のところ、本書の著者である森さんは恩田さんと並ぶくらい大好きな作家なのですが、実際にこの本が森さんの本かどうかというのは買うことを決める決め手には一切なっていません。誰の書いた本なのかという知る前に買うことを決めていました。


今回この本を手にして買うことを決めた理由は表紙がすごくよかったからなのです。



とても純朴なタッチなのに、なぜか強烈に目を引いて観た人に印象を残す絵だと感じました。
このタッチに見覚えがあったので調べてみたら、過去にも森さんの作品の表紙をいくつか描かれているそうで、手元にある「ショートトリップ」と「カラフル」と「永遠の出口」と「風に舞いあがるビニールシート」を並べてその表紙絵の魅力を再確認しました。



さて。表紙談義はこのくらいにして本書の中身についてですが、旅行記を書くために編集者の方々と屋久島を旅して過ごした数日間を描いた表題作はあまりに淡々としていてさほどおもしろくなかったです。と、おもしろくないというとネガティブな表現になってしまうので「とりわけおもしろい部分がなかった」という表現の方が適切かも知れません。

対して、後半の森さんが自身の旅行の経験をつづったエッセーはすごくおもしろいエピソードがもりだくさんで、さまざまな国々へ足を運んでさまざまな経験をしているそのアクティブさや、海外では理不尽なことに我慢できずによくキレるということが書かれていて、わたしの中でのイメージとのギャップにおどろかされました。


森さんの本が好きな人であれば、後半の「slight sight-seeing」だけでも必読です。


(追記)

この本以外で表紙買いをした本といえば、この本です。


蛇行する川のほとり (中公文庫)

蛇行する川のほとり (中公文庫)


当時の感想を読んだら今回と同じようなことが書いてありました。
この本の表紙を描いた酒井さんの絵は本当に素敵で、見るたびに目が離せなくなります。