レッドクリフ Part I


208年、中国三国時代。天下統一という野望に燃える曹操チャン・フォンイー)は80万もの兵力を率い、怒涛のごとく敵国を攻めていた。そして、誰もが彼らの勢力に圧倒されていた。そんな中、劉備軍の若き天才軍師・諸葛孔明金城武)と、孫権軍の知将・周瑜トニー・レオン)の2人の男が立ち上がった。そして2人は、6万という兵力を振りかざし、その巨大な勢力へと立ち向かうため、連合軍を結成する。兵力では劣っているが、2人は奇策と知略をめぐらし、戦いへと挑むのであった。だが、曹操の野望の裏には、一人の女性に秘められた目的があった――。曹操率いる魏の大軍と、蜀と呉の連合軍が戦った「赤壁の戦い」を描いたアクション超大作。

『レッドクリフ Part I』作品情報 | cinemacafe.net

宇都宮ヒカリ座にて。
超が3つくらいつきそうなほどの話題作であり、かつ、わたしの大好きな金城武が出ている作品であるにも関わらず、公開から3ヶ月以上経った今日まで未見だったのは、(1)元々三国志にあまり興味がないからであり、また、(2)上映時間が145分と長いのでちょっと敬遠していたからです。そんなわけであまり観るつもりはなかったのですが、最近すっかりご無沙汰のヒカリ座で上映を開始したというのを知ったら突然観たくなってきたので行ってきました。
三国志に関する知識は月刊マガジンの「龍狼伝」で得た程度のものしかないのでちゃんと理解出来るか不安でしたが、作中のところどころで時代背景に関する説明が入ったり、映像が切り替わった時には今写っているのは誰なのかということが繰り返し字幕で案内されていたおかげで細かい事に迷うことなく、素直にストーリーを追って楽しむことが出来ました。想像していた以上に楽しい作品でしたし、懸念していた145分という時間もまったく苦にならずあっという間に過ぎていきました。
とても面白かったのでぜひPartⅡも観に行こうと思います。
そしてわれらが金城武ですが、言葉が日本語ではないせいか、いつも以上にかっこよく見えてとてもよかったです。彼が日本語を話す時にはいつも独特の重苦しさというかわずかなたどたどしさが付き纏うのですが、言葉が違うととまったくそんなことは感じないのでいつもと違うなーと言わずにいられないほど雰囲気が違っていました。そういうのがものすごく新鮮でいい感じでした。
ただ、武*1孔明といわれるとイメージとは違うなというのも率直な気持ちでして、出来ればもっとオフェンシブな役で出て欲しかったなとも思いました。もっと槍で突いたり馬にとび蹴りするような役で活躍する彼を観てみたかったです。


さて。この作品を観てわたしはまじめなことをひとつ、そしてあまりまじめではないことをひとつ思いついたので書いておこうと思います。


まずまじめなことについてですが、上でも書いたとおり三国志には本当に何も思い入れがなかったのですがこの作品を観て三国志のもつ魅力の一端を垣間見たような気がしました。
観る前の三国志に対するイメージはと言うと、戦国時代なので関羽張飛呂布みたいな圧倒的な武力を持つ猛将が雑魚を蹴散らすのが一番の楽しいんじゃないかと思っていましたが、この作品を観ていたら、どちらかというと孔明周瑜のような知謀をめぐらす方が観ていて楽しいんじゃないかと思い始めたのです。
元々わたしはあまり先のことは考えられない短期決戦脳*2でして、将棋でいうと2手先ですらまともに考えられない/考えたくないわけで、乱世と言えばゲームで言う三国無双のような感じを思い浮かべるわけで、毛むくじゃらの豪腕戦士が「1000人斬ったぞー」とか雄たけびをあげてる方がらしくていいじゃないと思うわけです。
ところがそうではなくて、さまざまな智謀をめぐらせて少数が多数を打ち破る様子を観ているとこれはこれで予想以上に爽快でして、こういうものも面白いなと。そしてこのようなすばらしい策略のおかげで大きな戦いに勝利し、沸きに沸いている劉備/孫権軍の興奮が映像からすごく伝わってきたのです。猛将が雑魚を蹴散らすさまも非常に気持ちがよいのですが、それ以上にみんなで力を合わせて立ち向かうというのもすごくいいなと感じるのです。
こういう相手や地の利を知って作戦を立て、そしてそれに向けて訓練をして作戦を実行にうつすという流れはいわゆるPDCAサイクルと同じなのです。そういえば経営者の人って三国志好きだけど、そういう理由もあるのねと感心しました。


で、もうひとつのあまりまじめなことではないことについてですが、これは本当に微妙な話なので話半分に聞いて欲しいのですが、この作品で周瑜を演じたトニー・レオンですが、作中で初めて彼が出てきた時にものすごくびっくりしてしまいました。


「あれ? これってうっちゃんじゃね?」


(1) トニー・レオン


(2) うっちゃん


彼の出演作はいくつか見ているので顔は知っているつもりだったのですがこれほど似ていると思ったのは今回が初めてです。
メイクなんですかね。ちょっとびっくりしました。
そういうわけでうっちゃんが好きな人*3には「レッドクリフにうっちゃん出てるぜ」とか言って積極的にお薦めしてみようと思います。


で、全然映画は関係ないのですが、上にも書いたとおり2月半ばにして今年初のヒカリ座だったのですが、上映中に携帯が鳴り出す人が二人もいるわ、そのうち一人は電話に出ちゃうわ、さらには急に手を挙げてスクリーンに向けて指を指して何だかゴニョゴニョ言い出す人がいるわと本当に散々な鑑賞でした。そういえば以前エクスクロスを観に行った時にも携帯を鳴らした上に普通にしゃべりだした奴がいて、その人に爺さんがキレるという光景を眺めたのもヒカリ座の同じスクリーンだった覚えがあります。
シネコンの方が観客が多い分、そういう頭のおかしい人が多いのではないかと思ったりするわけですが、でもわたしの記憶をたどる限りではヒカリ座での遭遇率が圧倒的に高いのです。もっとかよっていたはずのテアトルと第一東宝でもそういう経験はないですし、一体この偏りは何なのだろうと不思議でなりません。
そういう人にはガツンと怒るのでストレスがたまるわけでもなくむしろ発散させてもらえる*4くらいなのでヒカリ座が嫌になったりはまったくしないのですが、こういうフリーダムな人が集うのがヒカリ座なんだなと感心しながら帰ってきました。
まったく、みんな自由過ぎるぜ。


公式サイトはこちら

*1:あえて馴れ馴れしく呼ばせてもらいますが

*2:先見性がないというか計画性がないとも言います

*3:マコは多分好きなはず

*4:もちろん冗談ですよ