孤独について

孤独について―生きるのが困難な人々へ (文春文庫)

孤独について―生きるのが困難な人々へ (文春文庫)

凄絶な孤独体験をもとに敢えて孤独を選び直し、それを贅沢に活用する人生のヒントを紹介。

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著者中島さんの半生をまとめた一冊。
孤独であることを望み、安易に周囲や他者と迎合して楽に生きることをよしとせず、常に自身が生きることの意味や絶えず襲いくる死への恐怖と向き合おうとする著者の考えを知るほどに、いったいこの人はどのような人生を送ってきた結果としてこのような価値観を形成するに至ったのか非常に興味をもたずにはいられませんでした。
本書には彼自身の視点から見た「中島義道の半生」がどのようなものだったのかということが事細かに記載されていて、非常に興味深く拝読しました。こんなことまで告白してしまうのかと驚かずにはいられないほど細部にわたって描かれている彼の半生は、まさに壮絶としか言いようがないほどすさまじいものでして、そしてその生きにくさと向き合って今に今に至るその過程は読んでいるだけでも嫌になるほどでした。


著者が孤独であることを望む理由や、孤独になることによって得ようとしていることなどについても書かれていて、孤独になることへのモチベーションがグングン加速する本でした。
今年は孤独になれる環境や時間を積極的に作ろうと思います。