- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2002/02/10
- メディア: 文庫
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突然、燃え上がった若者の頭、心臓だけ腐った男の死体、池に浮んだデスマスク、幽体離脱した少年…警視庁捜査一課の草薙俊平が、説明のつかない難事件にぶつかったとき、必ず訪ねる友人がいる。帝都大学理工学部物理学科助教授・湯川学。常識を超えた謎に天才科学者が挑む、連作ミステリーのシリーズ第一作。
http://www.amazon.jp/dp/4167110075
映画を観る前に原作(順番に読むのでまずは一作目から)を読もうということで手を出してみました。
どんなものにも理由はあるというスタンスでさまざまな事件を科学的に解き明かす湯川と、湯川に情報を提供して事件解決をねだる草薙というコンビのはまりっぷりはすごくよいなと思いました。名探偵に助手ひとりという組み合わせは鉄板です。
実をいうとわたしは大学時代は物理専攻でした。
論理的でもなければとりわけ科学的でもなくて、どちらかというと感情的な上に非科学的なことも大好き、という性分だということはそばにいる人にはもうバレバレなので、「おれ物理学科だったよ」なんて話をすると大体の人から「へぇ〜ホント?(ニヤニヤ)」という反応が返ってきて、とても悲しくなります。最近はそういった扱いをされることにもすっかり慣れてしまいましたが、この作品がこれだけ大々的に注目されたことで物理をやってる人をみる目のハードルが上がってしまうことが怖いなーと思ったりするのです。
論理的思考で事件が解決できる!!とか、スポーツも出来てかっこいいとか*1、そんな大学助教授なんて見たことありません。いや、まあ、わたしが知らないだけでもしかしたら世の中のどこかにはいるかもしれませんが、でもこの作品*2によって「物理学者」に対する見識って多かれ少なかれ変わったりするかもと感じています。
とりあえずこれからは「物理やってました」って言わずに教育学部でしたということにします。
東野さんの本は文体がすごく読みやすい上に、先が気になって読むのが止めらなくなるうまさがあって止め時が難しいのですが、短編になっているので少しはましかも知れません。とは言っても結局休むことなく一気に読みきってしまいました。
続けて「予知夢」、「容疑者Xの献身」*3も買ってあるのでそちらを読む予定。こういうシリーズものって次もあると思うだけで幸せな気分になれるのでとても嬉しいです。