「いまさら翼といわれても」読んだ


いまさら翼といわれても (角川文庫)

いまさら翼といわれても (角川文庫)

謎解きを通し〈古典部〉メンバーの新たな一面に出会う、シリーズ第6弾。
「ちーちゃんの行きそうなところ、知らない?」夏休み初日、折木奉太郎にかかってきた〈古典部〉部員・伊原摩耶花からの電話。合唱祭の本番を前に、ソロパートを任されている千反田えるが姿を消したと言う。千反田は今、どんな思いでどこにいるのか――会場に駆けつけた奉太郎は推理を開始する。千反田の知られざる苦悩が垣間見える表題作ほか、〈古典部〉メンバーの過去と未来が垣間見える、瑞々しくもビターな全6篇。

いまさら翼といわれても 米澤 穂信:文庫 | KADOKAWA


古典部シリーズの6冊目が文庫化されたのでさっそく買っちゃいました。
そういえば最近はまったくシリーズを通読していなかったので過去作品を読み直してから本作を読んだのですがぜんぶとてもおもしろかったです。あらためてこのシリーズの魅力を確認できました。


今作で描かれていたのは主要メンバーそれぞれのターニングポイントでした。
いま現在の人となりを決定付ける出来事や、もしくはこれから先進んでいく道を決定付ける出来事が各所に描かれていました。それぞれのエピソードを読みながらメンバーのこれからに思いをはせたり、いま思い描く登場人物の人物像を組み立てたのはこういったエピソードだったのかと感心しながら読みました。


いままでの5作品は目の前にある・起きた出来事を描くことが多かったので、こういった過去・未来に目を向けたエピソードというのはとても新鮮だったし、それぞれの物語をとおして登場人物たちの人物像もよりくっきりと輪郭をもちはじめたように感じました。


読みながら自分が高校2年生のときのことを思い出さずにはいられませんでした。