嫌なことがあったときは好きな本を読むととてもよい

さいきん公私ともにいいことがなくて落ち込んでいるのですが、こういうときは大好きな本を読んで気持ちを切り替えようとします。
読む本はそのときの気分でまちまちなのですが、今回はひさしぶりにハルチカシリーズが読みたくなったのでシリーズを再読しています。


退出ゲーム (角川文庫)

退出ゲーム (角川文庫)

空想オルガン (角川文庫)

空想オルガン (角川文庫)

千年ジュリエット (角川文庫)

千年ジュリエット (角川文庫)


高校を舞台にした青春モノと言えば、氷菓シリーズも人気があってわたしも大好きなのですがそれと同じくらいこのシリーズが好きです。

吹奏楽部でいっしょにがんばってくれる仲間を集めていく過程もおもしろいですし、ふとした瞬間に日常に浮き上がるちょっとした出来事のつまみ上げ方もうまいしほんとうに読んでて楽しいです。次々と登場人物が増えてもそれぞれがキャラ被りすることなく個性的かつ魅力的に描かれているのでどんどんにぎやかになっていくのもすごくよいです。


なんで落ち込んでいるときにこのシリーズを読みたくなったんだろう?と思いながら読んでみたのですが、目の前で起きたことに全力で向き合う姿に励まされるからかなと思いました。どんなにめんどくさいことだって、最後は覚悟を決めて問題に立ち向かうしかないんですよね。

このシリーズについてはどのエピソードもとてもユニークでおもしろくて大好きなんですが、中でも一番好きなのは「空想オルガン」です。
未来のある人とない人といういい方は少し酷かも知れませんが、選択肢のある人とない人という対照的な人の姿を描いていてグッと胸に刺さるものがありました。コントラストがきつければきついほどその色が映えるよね?と言わんばかりの残酷さ。

わたしは選択肢のない人なので読んで身の凍るような思いでした。


そして週末はシリーズ5作目である「惑星カロン」を買いに行こうと思います。


惑星カロン (角川文庫)

惑星カロン (角川文庫)


ちなみにこの作品は今年の春に映画化されていますがそちらは見ていません。
予告を観て「原作好きの自分は観ちゃダメなやつだ」と思って観るのを止めました。チカちゃんとハルタのあいだに特別な感情がないとは言いませんが、二人とも好きなのはあくまで草壁先生であってその大前提にひびを入れてはいけないと思っています。

チカちゃんとハルタがお互いに抱いている感情を「恋愛感情」とは呼びたくないし少なくとも現時点で原作で描かれている関係、感情は決して違うと思います。そしてこの描写のおかげでチカちゃんやハルタは二人を取り巻く環境において浮くことなくしっくり描かれているわけで、そう考えるとこの変更は個人的にはどうしても受け入れがたいものだと感じたので観に行くのを止めました。


映画単体としてはすごくおもしろそうだなとは思うんですけどね。