ラスベガスの裏社会で用心棒を生業とする元エリート兵士のニック(ジェイソン・ステイサム)。ある日、何者かに酷い暴行を受け瀕死の重傷を負った元恋人から、正体を突き止めて復讐してほしいとの依頼が舞い込む。ラスベガスの表も裏社会も熟知しているニックは、すぐさま犯人を見つけ出し、瞬く間に依頼を完遂させる。しかし、犯人の背後には、強大な権力でラスベガスを掌握する凶悪マフィアの存在が…窮地に追い込まれたニックの命を懸けた戦いが今始まる―!
『WILD CARD ワイルドカード』作品情報 | cinemacafe.net
みんな大好きジェイソン・ステイサムの最新作ということで観る前から楽しみにしていたのですが、今作はわたしにはちょっと合わないテイストでしてほろ苦いステイサム体験となりました。今までの作品が全部好きだっただけにしょんぼりしてしまいましたね...。
ステイサムの作品と言えば、「ストーリーはおまけ」「アクション重視」「とりあえずピンチらしいピンチは皆無」「かわいそうになるくらい敵がボコボコにされる」という、とりあえずステイサムを出して圧倒的腕力で相手をねじ伏せておけばOK(ちょっと美女もいるよ)という水戸黄門的な分かりやすさが売りだと理解しています。
大枠の流れは決まっているために新鮮さはないもののその分期待を大きく外すことはないので観る方も安心して観られますし、ステイサムファンはそれを期待しています。ファンが期待するのはステイサムがいつもどおりの展開で活躍することと細部の味付けの違いを楽しむことです。言うなれば作られた年代や色によって味の異なるワインを楽しむがごとく、微妙なステイサムの違いを楽しむのがステイサムファンのあるべき姿なのかも知れませんしそういう意味ではステイサムファンはソムリエと似ているような気がします(言い過ぎ)。
さて。
今作はラスベガスで用心棒としてはたらくステイサムが厄介ごとに巻き込まれていくというお話でして、アクションシークエンスも十分あってその点はとても満足のいく内容でした。ただ、いかんせん話がおもしろくなさすぎるというかステイサムの行動パターンや発言がいちいち納得できなくて終始イライラしながら観ました。ご都合主義は嫌いじゃないんですが、観ている人にカタルシスを与える方向ではなく話のつじつま合わせをするために都合をつけているのがありありと観てとれたというか、わたしが観ながらそう感じてしまったためにもうダメでした。
もちろんステイサム作品にとってストーリーや設定なんておまけだよというのはそのとおりなんですが、でもそれにしてもリアリティが無ければ面白味も無さすぎてうんざりしたし、最後の方になるともう苦笑いしかわいてきませんでした。
そんなわけでわたしにとってはとても不満の多い作品でしたが、映画が大好きで映画館に住んでいるんじゃないかという疑惑のある知人のrinoさん(ステイサム好き)に「ワイルドカードおもしろくなかった」という話をしたところ、こんな言葉でわたしをおどろかせてくれました。
@itotto0205 私は冒頭の「自分も禿のクセに禿をいじるステイサム」を見れただけ、全てを許そうと思いました。
— rino5150 (@rino5150) 2015, 2月 7
この心の広さというかステイサムへの情熱の熱烈さにはとても勝てそうもありません。
@itotto0205 ちなみに前回のバトルフロントでは、「冒頭にステイサムがロン毛になって出てきた瞬間」に全てを許そうと思いました。
— rino5150 (@rino5150) 2015, 2月 7
バトルフロントはおもしろかったのでわたしも大好きです。
@MOVIX宇都宮で鑑賞
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