原作は未読ですが前作がわりと楽しめたので今回も観に行ってきました。
京都大火編
激動の幕末を刀一本で生き抜いた伝説の人斬り、緋村剣心。かつては“人斬り抜刀斎”として恐れられていた彼も、新時代の訪れとともに穏やかな生活を送っていた。ある日、剣心の「影の人斬り役」を引き継いだ男、志々雄真実が政府に裏切られ身体を焼かれたはずが、全身包帯の姿で蘇り、日本制圧を目論んでいた。政府の送り込んだ討伐隊はことごとく壊滅し、「頼みの綱はもうお前しかいない。お前が動かなければこの国は滅びる」と、最後の望みを託された剣心。やっと手に入れた平穏な日々だったが、逃れられない運命を背負い、斬れない刀・逆刃刀を手に、仲間と別れ一人で京都へと向かう。剣心“最期の戦い”が遂に始まる――。
『るろうに剣心 京都大火編』作品情報 | cinemacafe.net
この作品が公開される直前にめざましテレビに監督と佐藤健くんが出ていてインタビューに答えていました。
インタビューでは作品についていろいろと話していましたが、その中で「人間が動ける最速の速さでどこまでできるのかに挑戦した」と言っていたのがすごく印象に残りました。実写と区別が付かないようなレベルのCGが使われることがめずらしくなくなったこの時代に、あえて人がどこまで動けるのかというところにこだわったということがすごくおもしろいなと感じてものすごく興味をもちました。
そんなわけで公開直後に観に行ったのですが、インタビューで話していたことが腑に落ちるすばらしいアクションに感心しました。
強者が雑魚を蹴散らすシーンは両者の力量差が圧倒的であることが一目で理解できるように工夫されていたし、強者同士の戦いは両者の強さや技量がハイレベルであることが戦いの素人である観客にも伝わってきました。迫力のある殺陣は観ていて飽きないし、いわゆる達人と呼ばれる人たちの動きってきっとこうなんだろうなという説得力のあるすばらしい映像に感動しました。
原作に忠実であることと実写ならではのリアリティをもたせること。
マンガが原作であることを考えると「原作に忠実」であることと「作品にリアリティをもたせる」ことは相反してしまうようにも思えるのですが、この作品はこの背反する2つの点の整合性を取ること、言い換えれば排他的な要素である2つの要点のバランス調整に非常に力を注いでいて、それがとてもよい塩梅になっていたと感じました。
後編ありきで撮られた前編なのでただ風呂敷を広げるだけ広げた感もありましたが、それはそれとして後編に期待をつなげるよい作品でした。
伝説の最期編
日本征服を狙う志々雄真実を止めるどころか、その配下である瀬田宗次郎に逆刃刀を折られてしまった緋村剣心。神谷薫ら愛する者たちの命が危機にさらされ、最大の窮地に立った剣心は、志々雄一派に打ち勝つために壮絶な道を選ぶ。果たして、志々雄が仕掛ける極限の戦いとは? 剣心はこの国を守り抜き、再び薫と逢うことができるのか? エンターテイメントの未来を劇的に塗り変える、壮大なるクライマックスが始まる!
『るろうに剣心 伝説の最期編』作品情報 | cinemacafe.net
大量の雑魚を蹴散らすことの多かった京都大火編に比べると、強い者同士がしのぎを削るシーンが多かったという印象を受けました。
個人的には雑魚をバッタバッタと倒していくのを見る方が好きなのでその点は前作の方が好きだなと思いましたが、前編で因縁を残していた者同士が決着をつけるという流れ自体は伏線がちゃんと回収されているわけですからその点はすごくすっきりしました。
個人的にすごくよかったなと思ったのはやはりラストの志々雄とのバトル。
ここは奥義を会得した剣心が決着をつけるのかと思いきや、剣心、斉藤一、四乃森蒼紫、相楽左之助4人がかりで志々雄に挑むことになります。左之助はともかく、それ以外の3人はいずれもかなりの強いはずなのですが全員が一度にかかっていっても志々雄はそれをいなしてしまうのです。志々雄強すぎる...。
この4対1のバトルがすごくよかったというか、この4対1でラスボスに挑んでいる様子がファイナルファンタジーやドラクエのラストバトルってこんな感じなのかなーなんて妄想しながら観ちゃいました。上でも書いたとおり剣心が一人で倒して終わるのがもっとも自然なんじゃないかというか、やはり主人公が一番強かったという展開を自然と想起してしまったのですが、あくまで一番強いのは志々雄*1だったというところを貫いたのは個人的にはすごくよかったなと。
ただ、物語を膨らませる役割を担っていた京都大火編とは対照的に物語を終わらせるのが本作でしたので、上記のラストバトルは盛り上がったものの全体的に尻すぼみな印象とやや駆け足で過ぎていったように感じました。完結編なんだからしょうがないっちゃしょうがないんですが、登場人物もかなりしぼられてしまったのもちょっと寂しかったです。とくに十本刀の扱いがちょっとね...。
とは言え、アクションもストーリーも十分過ぎるほど満足できる出来栄えでした。
まとめ
この作品を観終えてから原作をひととおり(10巻くらいまで)読んでみました。
まだ最後まで読んでいないのですが、それでも映画が原作をものすごく大事にしていることが分かったし、そういった原作へのリスペクトを取り入れつつ、実写でどこまでできるのか?ということにも挑戦していたことを実感しました。
もうちょっと話がおもしろければ最高だったのになーと思いますが、でも十分楽しめました。
(関連リンク)
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*1:師匠は抜きにして