19世紀、イギリス軍とフランス軍の中国侵攻により、清王朝時代の国宝が持ち出された。それは十二支の動物にまつわる秘宝。全12体のうち、現在行方不明の数体を求め、アンティーク・ディーラーのマックスプロフィット社は、世界を股にかけるトレジャー・ハンターのJC(ジャッキー・チェン)を雇う。JCが結成した特殊チームは、パリ、南太平洋、中国など、世界各国を駆け巡るが、行く先々に彼らを阻む強敵が現れ――。
『ライジング・ドラゴン』作品情報 | cinemacafe.net
TOHOシネマズ宇都宮で観てきました。
先日「ラスト・スタンド」を観たときにも書いたのですが、「子どもの頃からTVでよく観ていて大好きなんだけど劇場ではほとんどお目にかかったことがない俳優というのがわたしにはたくさんいますが、その中でもトップクラスに大好きなのがジャッキー・チェンです。
小学生の頃、週末にテレビでジャッキー映画が放送されると翌日はみんなやけに好戦的になってしまい、あちこちでカンフーごっこが行われていたことを思い出すのですが、わたしもその例にもれず、ジャッキーのアクションの虜になりました。弟に悪役をやらせてボコボコにして親に怒られたり屋根から紐を垂らしてそれを伝い降りようとして怒られたり、さらには酔拳を実践しようとお酒を飲もうとして怒られたりしたこともいまとなっては懐かしい思い出ですが、とにかくもうかっこよくてジャッキーみたいになりたいと思って行動にうつして怒られたことは数知れません。
ジャッキー最高!
そんなわけで大好きなジャッキー・チェン主演作品が公開されると聞けば観に行かないわけにはいかないのですが、今作は「ジャッキー・チェン最後のアクション映画!」という売り文句までついていまして、これが最後となればなおさら観に行かないわけにはいきません。ただ、ジャッキーの出演作を見られると思うとうれしくてすぐに観に行きたくなるのですが、一方でこれが最後のアクション映画だと思うともったいなくてすぐに行きたくなくなります。
観に行きたいけど観に行くのがもったいない。
そんな揺れる気持ちにやっと整理がついたところで、昨日やっと観に行ってきました。
まず観た率直な感想としてはさすがジャッキー・チェン!と大声で言いたくなる素晴らしい作品でした。
ストーリーはあまりおもしろくなかったのですが、もともとストーリーなんてジャッキーがピンチに陥って本気を出すためのおまけみたいなものなのであれで十分満足しました。あまり政治的な話は入れないでほしかったなと思ったりもしましたが、でもジャッキーがかっこよく活躍する様子がみごとに演出されていましてたいへんよかったです。
ジャッキーの出ている映画は見どころばかりでどのシーンも見逃せないところばかりですが、とくにエンドロールで流れるNGシーンは絶対に見逃せません。その理由は、このNGシーンこそがジャッキー映画のすごさを理解するうえでもっとも大事な部分だと思っているからです。
ジャッキー映画はどのシーンを観ても目を見張るようなアクションや凝ったギミックが満載なのですが、それぞれを「すごいことだろ!」とアピールするような演出はあまりしてないように思います。どんなアクションもごく自然にやってのけているように見えるので、観ている方も「これすごいことやってるんだろうな」とうすうす感じながらもその本当の難易度を把握しかねるのです。これは「このシーンを撮るためにどれだけすごいことをやっているのか」というところを観る側に意識させず、純粋にそのシーンのおもしろさを楽しめるような配慮だとわたしは思っていて、そのことがすごいなと思うしそういう姿勢が好きだなと思います。
そして本編で満足した観客はエンドロールでNGシーンの数々が流れるのを観るわけですが、これを観ると、本作は観ていた人たちが想像していたよりももっともっと高い難易度のアクションやそれに伴う怪我が積み重ねられて実現されていたことがわかるようになっています。エンドロールまで楽しめるというこの演出もおそらくジャッキー映画の醍醐味だと思うし、最初から最後まで楽しめる作品という評価がこれほどぴったりくるのはジャッキー・チェンの作品だからこそではないかと思うのです。
そういえば「チョコレートファイター」もエンドロールの映像が死ぬほど痛そうだったなと思うわけでして、実はこの手のアクション映画ではこういうエンドロールはわりとふつうのことなのかも知れませんが、わたしにとってジャッキーの映画というのは「エンドロールまでちゃんと観なければ観たことにならない」稀有な作品だと思っています。
これでジャッキーのアクションは見納めかと思うとやや寂しいです。
(関連リンク)
公式サイトはこちら