「訪問者」読んだよ

訪問者 (祥伝社文庫)

訪問者 (祥伝社文庫)

急死した映画監督峠昌彦の親友井上は、湖を一望する山中の洋館を訪ねた。三年前、昌彦を育てた実業家朝霞千沙子が不審死を遂げた湖だ。館には「訪問者に気をつけろ」という不気味な警告状が届いていた。死んだはずの「大おばちゃま」の姿を見たと主張する少女。そして冬の雷が鳴る中、新たな死体が…。やがて残されたシナリオから浮上してきた意外な真実とは。

http://www.amazon.co.jp/dp/4396337507

ひさびさの恩田作品でしたが、さすが!と思わず口に出そうになるくらいおもしろかったです。
洋館もののミステリー...かと思いきや、次々と状況や登場人物が変わるめまぐるしい展開がとてもにぎやかで気の休まる暇がなく、その展開の早さに翻弄されっぱなしでした。そしてその展開の早さが決して物語の理解を阻害せずに、疾走感という心地よさになっているところはさすがだなと感心させられました。

展開が早いと「あれ?なんでこうなったんだっけ?」となりがちなのですが、一度もそういうところがなかったのは恩田さんの力量あってのものだったなと読み終えて感じました。


ただ、一見謎が謎を呼ぶミステリーのようにも読めるもあるので謎解きをしたくなるのですが、謎解きにこだわり過ぎずに物語を追いかけてすなおにドキドキワクワクする方がいい作品だということだけは申し添えておきます。