- 作者: 恩田陸
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2000/10/01
- メディア: 文庫
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学校の体育館で発見された餓死死体。高層アパートの屋上には、墜落したとしか思えない全身打撲死体。映画館の座席に腰掛けていた感電死体―コンクリートの堤防に囲まれた無機質な廃墟の島で見つかった、奇妙な遺体たち。しかも、死亡時刻も限りなく近い。偶然による事故なのか、殺人か?この謎に挑む二人の検事の、息詰まる攻防を描く驚愕のミステリー。
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冒頭。意味不明なテキストの羅列が並ぶのを読んで、「一体これはなんだろう....」と悩んでしまい、しばらく読み進めることが出来ませんでした。あまりにわけがわからなかったので、ひとまずここを理解することを諦めて読み進めてみると意外にも冒頭の話はさほど気にしなくてもよい内容だったことがわかってホッとするやらがっかりするやら....。わからないことはわからないと置いておいて読むべきでした。
さて。本作はある無人島で起こった殺人事件を追う二人の男性のやりとりを中心に話が進んでいくのですが、その意外性ある結末を含めて非常におもしろかったです。読み手にオカルトな物語や結末を想起させておきながらも、説得力のある展開で読者を納得させるのはさすがだと思います。
ただ、本書は異様に短くて謎解きもかなり端折られていたのが唯一残念でした。
あまり膨らませてもしょうがないとは言え、これだけおもしろい題材であればいつものようにもっと長編で構成しても十分いけていたと思います。