2014年6月16日から6月30日までに読んだ本。
37. 海を見に行こう

- 作者: 飛鳥井千砂
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2014/03/06
- メディア: Kindle版
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同棲していた彼氏とケンカして、家出した茜。民宿を経営する叔父夫婦のもとに転がり込むが、そこはラブホテルに替わっていて…(「海風」)。結婚して10年。ずっとうまくいっていた妻との間に、大きな悩みを抱えてしまった航。久しぶりに戻った故郷で、昔傷つけてしまった女性と再会し―(表題作)。海辺の街を舞台に、人生に迷い立ち止まる6人の男女の再生を描く、ほろ苦くも心温まる小説集。
http://www.amazon.co.jp/dp/408745021X
一昨年くらいは飛鳥井さんの現実と創作のちょうど真ん中くらいに位置する物語が好きで好きで何度も繰り返し読みたいと思っていたけれど、さいきんどうも現実的なパートの重さに耐えられなくて苦手だなという印象を受けています。一年前の自分だったら絶賛してそうな内容なのに、どうも嫌なものを読んでしまった的なモヤっとした違和感が残るようになってしまいました。
38. 百瀬、こっち向いて。

- 作者: 中田永一
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2010/08/31
- メディア: 文庫
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「人間レベル2」の僕は、教室の中でまるで薄暗い電球のような存在だった。野良猫のような目つきの美少女・百瀬陽が、僕の彼女になるまでは―。しかしその裏には、僕にとって残酷すぎる仕掛けがあった。「こんなに苦しい気持ちは、最初から知らなければよかった…!」恋愛の持つ切なさすべてが込められた、みずみずしい恋愛小説集。
http://www.amazon.co.jp/dp/439633608X
映画を観てとても気に入ったので原作も読んでみましたがたいへんすばらしい傑作でした。
映画よりも原作の方が圧倒的にわたし好み。
もともと乙一さんの作品が大好きで出版されている作品はほぼ読んでいますが、ここしばらくは乙一名義の出版は無かったために出版していないんだと思い込んでいました。ところがどうやらいくつか別名義で本を書いているようでして、そのことを知らなかった私は長く彼の新しい本に気付かずに過ごしていました。
「くちびるに歌を」なんて、ネットで話題になっていなければまず気付かなかったです。

- 作者: 中田永一
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2013/12/06
- メディア: 文庫
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そんなわけでもともと乙一さんの文章が好きだったわけですからとうぜんこの本の文体も好みど真ん中のストライクでして、最後まで一気に読んじゃいました。物語につながりのない短編集でしたが、どれもたいへんおもしろくて全部最後までニヤニヤしながら読んじゃいました。
とくに最後の「小梅が通る」はすごく"らしさ"が詰まっていてよかったです。
39. puzzle

- 作者: 恩田陸
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2000/10/01
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学校の体育館で発見された餓死死体。高層アパートの屋上には、墜落したとしか思えない全身打撲死体。映画館の座席に腰掛けていた感電死体―コンクリートの堤防に囲まれた無機質な廃墟の島で見つかった、奇妙な遺体たち。しかも、死亡時刻も限りなく近い。偶然による事故なのか、殺人か?この謎に挑む二人の検事の、息詰まる攻防を描く驚愕のミステリー。
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恩田陸さんの本をまとめ読みしようプロジェクトの一冊目。
孤島で起きたある不思議な事件の謎を解くために島へと降り立った2人の検事。高層アパートの屋上で見つかった転落死体に、電気の通っていない屋内で見つかった感電死死体。さらにそれぞれの死体がもっていた内容がバラバラのテキストが謎を一層深める...かと思いきや、あという間に事件は解決へと向かっていきます。
前半100ページが問題提起で、後半50ページが謎解きというとても短い本でしたのでやや物足りなさを感じました。
40. 訪問者

- 作者: 恩田陸
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2012/04/12
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急死した映画監督峠昌彦の親友井上は、湖を一望する山中の洋館を訪ねた。三年前、昌彦を育てた実業家朝霞千沙子が不審死を遂げた湖だ。館には「訪問者に気をつけろ」という不気味な警告状が届いていた。死んだはずの「大おばちゃま」の姿を見たと主張する少女。そして冬の雷が鳴る中、新たな死体が…。やがて残されたシナリオから浮上してきた意外な真実とは。
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恩田さんの本を読もう作戦2冊目は「訪問者」
舞台の脚本としても使えそうな物語がとても恩田さんらしく感じられる一冊でした。
41. Q&A

- 作者: 恩田陸
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2013/12/06
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都下郊外の大型商業施設において重大死傷事故が発生した。死者69名、負傷者116名、未だ原因を特定できず―多数の被害者、目撃者が招喚されるが、ことごとく食い違う証言。防犯ビデオに写っていたのは何か?異臭は?ぬいぐるみを引きずりながら歩く少女の存在は?そもそも、本当に事故なのか?Q&Aだけで進行する著者の真骨頂。
http://www.amazon.co.jp/dp/4344409361/
あるショッピングセンターで起こった事件をさまざまな人の証言から明らかにしようとするというお話。
「藪の中」のような話かと思いきや、読み進めていくともっと物語は複雑であることに気付きます。釈然としない気持ちは最後まで解消されませんでしたがかなりおもしろかったです。
会話劇の脚本みたいな作品でした。