「少女たちの羅針盤」見たよ


羅針盤”という名で世の注目を集め始めた演劇ユニットで起きたある事件。事件の真相、真犯人は――? 第1回「ばらのまち福山ミステリー新人文学賞」で優秀賞を受賞した水生大海の小説を映画化。成海璃子をはじめ、若手キャストが本格ミステリーに挑む。

『少女たちの羅針盤』作品情報 | cinemacafe.net

(注意)
本エントリーは作品の内容、結末に振れている部分があるのでご注意ください。


TOHOシネマズ宇都宮にて。


4年前のある事件を中心に展開するミステリーでしたが、物語の中心にいる人物をうまく隠すことでとても巧妙に謎を演出してみせるやり方はとてもよかったです。4年前の事件に至るまでの経緯と現在を行き来させることで、一体誰が犯人なのか?という部分に観客の興味を惹きつけさせようという試みはとても功を奏していたのではないかと感じました。
少なくとも、わたしはラストまではかなり引き込まれてみてしまいました。


あと、作中で主役4人が演劇ユニットを組んである劇を演じるシーンがあるのですが、あそこはすごくよかったです。
わたしは舞台や演劇を生で見たことはないのですが、映画とは違うライブ感のある空気を一度味わってみたいなと感じました。


そんなわけで全体的にはかなり満足できる内容でしたが、この作品を決定的によくないものに貶めている一番の原因はオチの付け方。
ミステリーというものにルールがあるかどうかは分かりませんが、例えば「犯人はこの中にいる!!」と探偵役が言ったら、やっぱりその中に犯人がいるべきだとわたしは思うんですよ。もちろんそうしないことに対する罰則があるわけではなし、そんなのは無視して全然関係ない場所に犯人がいたことになっても全然かまわないわけですが、やはり最低限守ってほしいルールというのがミステリーにはあるとわたしは思うし、本作においてはそれが守られていなかったのが大変残念だと感じました。


あれをサプライズだとか意外性だなんて言ってほしくないとわたしは思うし、個人的にはそれまで積み重ねた良さをすべて取り崩してしまうほどインパクトのあるミスだと思います。


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