「ダーティハリー」見たよ

ダーティハリー [Blu-ray]

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サンフランシスコを舞台に、職務遂行のためには暴力的な手段も辞さないアイルランド系のキャラハン刑事が、偏執狂的連続殺人犯との攻防を繰り広げるアクション映画。

ダーティハリー - Wikipedia

TOHOシネマズ宇都宮にて。午前十時の映画祭にて鑑賞(3本目)


映画を観始めたのが比較的最近のわたしにとっては、クリント・イーストウッドといえば演技者としてよりも監督としてのイメージがとても強いです。この作品以外で唯一役者としてのイーストウッドの姿を観たのは「グラン・トリノ」だけでして、本作は記念すべき2作品目となりましたが、「気難しいおじいちゃん」という今の姿しか知らないわたしにとっては驚きと発見の多い作品となりました。


警察というのは国家や政府当局のもつ暴力装置であり、秩序を維持する役割を担っています。
秩序を守るために法などお構いなしの無法者たちと日夜戦っているわけですが、ここに大変難しい問題が潜んでいます。
つまり、法などお構いなしの人を捕まえるために捕まえる側も法を犯していいのかというとそれはノーなんですよね。鬼ごっこでいえば、逃げる側は他人の庭に逃げ込もうとも道路を斜め横断しようとも構わないけど、追う側はモラルをもって交通ルールを守らなければならないという変則ルールが敷かれていることと同義のことが要求されているのです。


これじゃあ捕まえられるモノも捕まえられないじゃないか...となるわけですが、そこで必要とされるのが法を犯してでも犯人逮捕のために動ける人なのです。ダーティハリーというその名のとおり、キャラハンはいくつもの汚れ仕事をこなすのですが、法的なグレーゾーン(場合によっては真っ黒な部分)を踏みしめて犯人逮捕の役割を担うために彼は汚れ仕事を引き受けているわけなんです。
「法に則った秩序を維持するためには法を犯さなければならない」という矛盾を一身に背負い、日々自身の信じる正義のために活躍するキャラハンがとてもかっこいいと感じる作品でした。