街の片隅でひっそりと質屋を営んで暮らす男・テシク(ウォンビン)。元特殊部隊隊員である彼は、過去に起きたある出来事がきっかけで心に闇を抱えていたが、隣に住む貧しい少女・ソミだけは、彼と心を通わせていた。しかし、ある日ソミは麻薬密売組織に母と共に誘拐されてしまう。彼女を救うべく、テシクはその危険な企みの渦に飛び込んでいくが――。
『アジョシ』作品情報 | cinemacafe.net
(注意)
作品の内容に触れている部分があるので未見の方はご注意ください。ネタバレされた!と怒られても「ごめんね」と謝ることしか出来ませんのでご了承ください。
TOHOシネマズ宇都宮にて。
おもしろい、おもしろいと聞いていたのですが、実際に観てみたらわたしの予想よりも15倍くらいおもしろくて頭のネジがクルクルとはずれて飛び出しそうなくらいテンションMAXで観てきました。超傑作、超傑作!*1
twitterで「ウォンビン版レオン」なんて表現されている方がいましたが、たしかに物語の枠組みは似ているのでそういいたくなる気持ちはすごくよくわかりますし、「レオン」が好きな人は結構ツボに入るような気がしました*2。
仲のよかった近所の少女が悪の組織にさらわれたので助けに行くというお話。
基本的にどのアクションシークエンスも迫力があってすごくよかったし、観ていてまったく目が離せないストーリー展開もすばらしくて非の打ちどころがないのですが、作品全体を振り返ってみて一番好きなシーンはどこかというと「瓶詰めされたソミの目をテシクが受け取る」シーンなんですよね。
そこまでの展開から、ある程度はあんなふうになるんじゃないかという覚悟はしていたのですが、いざその事実を目の当たりにしたときの衝撃たるやもう唖然とするしかなくて もう何だか自分自身の大事な人が同じ目にあわされたようなそんな絶望的な気分になってしまったのです。もうショック、本当にショック!
ただひとつ不思議なのは、普段の疑り深いわたしだったら「そもそもあの目は本当にソミの目なのか?」なんてことを考えるはずなんですが、このときばかりはまったくそんなことは考えなかったんですよ。もうまったく何も疑わずにえぐり取られたのはソミの目であることを事実として受け止めてしまったのです。
別にだまされたことが悔しかったわけではないのですが、なぜなのか知りたくてその理由について考えてみたのですが、これはここに至るまでの演出が影響しているんじゃないかと思ったのです。言い過ぎかも知れませんが、このシーン以前のすべてのシーンは悲惨な結末と信じ込ませるための前振りなんじゃないかなと。
ソミの母親や悪そうな社長が殺されて臓器を売り払われたり、身寄りのない子どもたちが薬物販売の片棒を担がされた挙句、使い物にならなくなると臓器売買のタネにされたりと、物語はいつも絶望的な方向に舵を切っていたのでわたしは「この作品はこういう悲しい話なんだ」という先入観をもってしまったんじゃないかなと思うのです。
なんて書いちゃいましたが、おもしろかった理由なんてどうでもいいと思えるくらいたのしい作品でした。
惜しむらくは地方だとほとんどの劇場で上映が終わっちゃってることですかね...。わたしも最終上映日に観に行ったので、二回目を観に行くことが出来なくて大変残念でした。どこかで再上映したらまた観に行きたいです。
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