「ステイ・フレンズ」見たよ


ジェイミー(ミラ・クニス)は、NYで有能な人材をヘッドハンティングをしている。ある時、LAで活躍する敏腕アート・ディレクターのディラン(ジャスティン・ティンバーレイク)と出会い、彼を転職させようとNYに招待する。親しくなる内に、2人共恋愛そのものを楽しむことができないといった恋愛観が似ていることに気付く。彼らは、過去に恋愛がうまくいかず諦めることに慣れてしまっていたのだ。やがて、ディランがNYへ転職したことで2人の距離はより近いものに。お互いに恋愛感情が無いとわかっていたのだが、ジェイミーのあるひと言で一線を越えてしまい…。

『ステイ・フレンズ』作品情報 | cinemacafe.net

フォーラム那須塩原で観てきました。

昨年末はネットのあちこちで「2011年に観たおもしろかった映画トップ10」というエントリーやツイートを見かけたのですが、そこでよく選出されていたのが本作「ステイ・フレンズ」。公開した当時(10月くらい?)は宇都宮近辺での上映予定はまったくなく結局観れずじまいの作品でしたが、いざ年末になると多くの人が今年指折りのいい作品だと褒めそやし始めたのでなんだか観られなかったことが急に悔しく感じられて疎外感に包まれたことをおぼえています。


そんなわけで一度も観ていないわりにやけに思い入れ深い作品なのですが、やっと近くで上映されたので観てきました。


トントントンとまるでスキップするようにテンポよく進むストーリーは観ていてまったく飽きる暇がなかったし、出てくる人たちの誰もがユニークで魅力的でたいへんおもしろかったです。個人的にはスポーツ担当のトミー(ウディ・ハレルソン)が要所要所でわたしの笑いのツボを刺激してくれてかなりおもしろかったです。
ほぼ全裸の男女を並べて写真を撮るシーンはわたしの中では本作品屈指の名シーンです。あまりにくだらないし、どうでもいいのにおかしくてケタケタ笑ってしまいました。トミー大好き。


観ていて特におもしろいなと感じたのは、ジェイミーとディランが体だけの関係を結ぶためにiPadの聖書アプリを使って「セックスしても友だちでいる誓いを立てる」シーンです。聖書アプリはiPadの向きを回転させると聖書も回転してしまって...というところには思わず笑ってしまったのですが、そこではなく、お互いが一歩踏み出すための言い訳を必死に探している姿がすごくおもしろかったしその気持ちがすごく分かるなと思ったんですよね。


以前、どこかで読んだのですが「女性を口説くときには言い訳を与えてあげるといい」ということを聞いたことがあります。男性の誘いにのってしまうことへの言い訳を与えてあげることで、口説かれてもいいやという気持ちにさせるというテクニックだそうでして「なるほどモテる人は考えることが違うね」と感心したのですが、それと同時にでも言い訳が欲しいのって男も一緒だよねーとも思ったのです。


例えば、昵懇の仲にある異性がいたとして、仮にお互いに付き合っている相手がいなかったとしても「じゃ、セフレになろうぜ!」とはとてもとても言えません。もし本音ではそうしたいと思っていたとしても*1それは絶対に言えません。

それは体だけを求めることが不誠実であるからという気もしますし、言われた相手が不快な気分になることが容易に予想できるからなんです。


でももし何か納得できる理由、例えばこの作品のように女性もそれを求めているとかがあれば別でして、その理由から「相手もそれを求めているんだからいいよね」という言い訳を作ることが出来たら、言えなかった「セフレになろうよ」という失礼なこともスッと言えるんじゃないかなと思うわけです。


ただ、そういう言い訳に支えられて成り立つようないびつな関係はすぐにひずみが生じて長くは続かないよということもこの作品では描かれていて、セックスすることに意味をもたせずにただその行為自体を楽しむというのはなかなか出来ないもんだよねなんて思ったのでした。


そういえば、セックスだけの関係を続けようとした男女の姿を描いている点や、主演がナタリー・ポートマンという「ブラックスワン」つながりのキャストという点から、「抱きたいカンケイ」のことをふと思い出しちゃいました。どちらも「体だけの関係は長くは成立しない」ということを描いていたので今度あらためて見比べてみようと想います。



(関連リンク)


公式サイトはこちら

*1:わたしがだれかにそういうことを思ったことがあるわけじゃないですよ