1959年、無実の罪でありながら放火の罪に問われ、精神病棟に送られた20歳のクリステン(アンバー・ハード)。初日の夜から人の気配を感じ、不安に駆られる。その病棟には同年代の少女ばかりが隔離されていた。自分が“狂人”だとは認めないクリステンだったが、彼女が犯したとされる放火を目撃したことと自分の名前以外、一切の記憶を失っていることに気づくのだが…。
『ザ・ウォード/監禁病棟』作品情報 | cinemacafe.net
(注意)
地味にネタバレしているところがあるので未見の方はご注意ください。
銀座シネパトスにて。
精神病棟で隔離生活を送る5人の女性が院内のあちこちで正体不明の女性に襲われて姿を消していくというお話。
閉鎖的な空間で次々と起こる不可解な出来事や、病棟に最初からいる4人の女性たちの言動の不穏さが見ている人の興味を誘うところはすごくよかったですし、何よりも結末のアイディアのよさやそこに着地させるまでのプロセスの見せ方もおもしろかったと思います。
あと映像についても結構おもしろいと感じたところがあったのですが、その中でもとりわけ好きだったのは、暴れ狂うクリステンに鎮静剤かなにかを打ったときにクリステンが薬の力で前後不覚になっていく瞬間の描写。酩酊した人が徐々に記憶を失っていくその瞬間をものの見事に切り取ってみせた映像のすばらしさには思わず声が出そうになるくらい感激をおぼえました。
あと、出てくる女の子が全員すごくかわいいんですよ。そしてそんなかわいい女の子がきゃーきゃーいいながら逃げ惑うのがまた観てて楽しいんです。特にダニエル・パナベイカーやリンジー・フォンセカのかわいさはもう「言葉なんていらないからとりあえず観てみろよ!」レベルですよね。
そんなわけでアイディアや映像といった個々の要素はとてもすばらしかったのですが、作品全体を俯瞰してみるとどうもスリルというかドキドキというか狂気じみた空気が足りなくて、食い足りなさや物足りなさを感じたんですよ。こんなに怖そうなシーンがたくさんあるのに、どれもさほど怖くないし印象にも残らないんです。
ここ数日で急にわたしのホラー耐性が上がったとも思えないので、やはり恐怖を感じさせる何かが決定的に欠けていたとしか思えないのですが、その何かというのが何なのかはよくわからないんですよね。ただ、とにかく怖くなかったんです...。
個人的にはかなりツボに入った非常にいい作品だっただけに、そのあと少しの物足りなさが残念に感じられました。
でも超好きだけどね!
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