充電したい

最近は中古のゲームを買うことはあまりなくなったのですが、中高生の頃はお金がなかったのでよほど欲しいゲーム以外は近くの中古屋で買っていました。新品と中古の違いって実はほとんどなくて、中古は汚れてるとか誰かが触ってて嫌だとかいう人もいますが、実際によほどひどいお店じゃない限りは気になるほど汚れている中古品ってありません。
働き出してからは作り手への還元なんてことを考えられるようになったのでなるべく新品で買うようにしていますが、古くて手に入らないものについては中古でもいいやと思っています。


ただ、ひとつだけ中古のよくないところを挙げるとすれば、前の持ち主のセーブデータが入っているという点です。これはPS以降の「セーブデータは外部メモリに保存が当たり前」というゲームしか知らない人には伝わりにくいのですが*1、FCやSFCがメインだった頃はカートリッジの中にセーブデータが入っていたのです。


だから中古でRPGを買うと前の人が残したデータ、そのほとんどはクリアできるレベルにあるものでしたが、そういうデータが入っていたのです。自分のデータじゃないんだからそんなのはさっさと消してしまえばいいのに何度かそのデータをロードしてみたことがあってその度にロードしたことを後悔してしまったのです。


なぜ後悔したのか?
それはゲームを始める前からクリア直前の状態をみてしまうと、それ以上ゲームをやる気にならなくなってしまうのです...。
自分がこれから何十時間間かを費やした先にたどり着く未来を見てしまうことで、もうそのことに対して一切の興味が失われてしまうのです。RPGなんて結局のところ誰がやってもゴールは同じになるわけで、それを見てしまうことはわたしにとってものすごいクリティカルな問題なんだとこの経験をとおして学びました。


これは現実の世界にもいえる話で、例えば自分がこれから何十年とかけて何かを積み上げた先にたどり着く場所をいま見てしまったとしたら、例え今たどり着いていなかったとしてもわたしは途端に興味を失うだろうと思います。
空気中ではアルコールがあっという間に揮発してしまうように、わたしの中に宿っていた情熱もスッと雲散してしまいます。
いまちょうど自分がそんな感じの状態でして、外圧は高まる一方で内圧を高めるモノが何もなくてギュギュっと押しつぶされそうになっています。超逃げたいし、充電したい。

*1:途中まで書いてて思い出したのですがそういえばGBAやDSもカートリッジなのでピンとこない人はいなそうです