修学旅行に向かう途中に無人島に連れ去られた42名の中学生。彼らは最後のひとりになるまで殺し合わせる“新世紀教育改革法”通称BR法によって選出され、殺人ゲームの犠牲者となってしまった。首には爆薬の詰まった首輪がつけられ、島から脱出は不可能。制限時間は3日間。いま、恐怖のサバイバルゲームの幕が上がる――。社会現象まで巻き起こした故深作欣二監督の衝撃作が3Dとなって蘇える。
『バトル・ロワイアル 3D』作品情報 | cinemacafe.net
TOHOシネマズ宇都宮にて。
本作は10年前に公開された作品の3Dリメイクですが、元の作品が未見でして今回が初の鑑賞でした。3D化したことへの是非はともかく、映画そのものは期待以上に面白い作品でした。あまりに面白くて2回も観に行ってしまうほど気に入ったのですが、そういえば3D映画を2回も観に行ったのはこの作品が初めてかも知れません。
そのくらい楽しめたので、この続編である「バトル・ロワイアルII 鎮魂歌」も今度見てみようと思ったのでした。どうせだったらこっちも3D化して劇場公開してくれたらいいなと思うのですが、評判を見る限りでは絶望的っぽいなあ...。
# そういう意味では2作同時3D版公開だったらすごくよかったんですけどねー。
さて。
本作のすばらしかった点は冒頭で徹底的に絶望を植えつけている点にあります。
開始早々、七原の父親が電源コードで首つり自殺をしているシーンで衝撃を受けたのですが、それに追い打ちをかけるようにキャッキャと楽しく騒いでいた修学旅行のバスがあっという間に地獄行きのバスへと早変わり。そしてそのまま、クラスの42人中1人しか生き残れないというデスゲームへ放り込まれるというとどめの差しよう。
自分が生き残るためには今まで仲間だと思っていた友だちや大好きなあの子も根こそぎ殺さないといけない。
そして親も先生も誰も助けてくれないという徹底した絶望の演出には観ているだけのわたしですらのっけから心が折れそうになります。これ、もう諦めてさっさと死んだ方よくね?と思ったのはわたしだけではなかったようで、作中でも戦わないでさっさと死を選ぶ人たちもいたのですが、その人たちの心境は嫌というほど察することが出来たのです。
楽しかった時間から一転して突如生死を問われるような危機的な状況に陥るというギャップ。
何気ない日常にぽっかりと空いた穴。その口を開けてまっている穴はそこに落ちた人を地獄へいざなうように、突如深い暗闇へと突き落とされたときのような絶望の淵に立たされるシチュエーションって自分の事に置き換えるととても気が滅入るのですが、でも物語として観るととても惹かれるんですよね。
そして、もうひとつこのシチュエーションが教えてくれたのは、学校で形成されるヒエラルキーというのはあくまで学校という枠の中に仮想的に作られたものであるということです。グループ、友だち、そういったバックボーンがなくなった自称ヒエラルキー上位者というものの脆さがとても愉快でなりませんでした。
そうだそうだ。もうひとつだけとても面白かったのがキャストの豪華さ。
最初に書いたとおり、これはもう10年も前の映画なのですが今となっては絶対に集められないと思えるくらいキャストが豪華でびっくりしました。
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