「フォロー・ミー」見たよ

フォロー・ミー FOLLOW ME [DVD]

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英国の上流階級出身で一流の公認会計士チャールズ(マイケル・ジェイストン)は、気ままな旅行をしていた米国生まれのベリンダ(ミア・ファロー)と知り合い、結婚。しかし、チャールズの言うところの「育ちの違い」なのか、二人の間はやがてギクシャクしていく。約束の時間を守れず、家を空けてばかりのベリンダに浮気を疑ったチャールズは素行調査を依頼。探偵クリストフォルー(トポル)がベリンダの尾行を始めるが、ロンドンの街を彷徨う彼女の姿を見て探偵はあることに気づくのだった。

フォロー・ミー - Wikipedia

TOHOシネマズ宇都宮にて。午前十時の映画祭にて鑑賞(27本目)
恋愛と結婚は違うというのはよく言われることですが、「何が一番違うんだろう?」と改めて考えてみると、すべての生活を共にしなければならないために細部に渡って価値観をすり合わせる必要が出てくることだと思います。
具体的な事例についてちょっとだけ考えてみたいのですが、例えば「朝はパン派」な奥さんと「朝は米だろ派」の旦那さんでは朝ごはんをどちらに合わせるのかとか*1「寝るときは布団派」の旦那さんと「ベッド以外ありえない派」の奥さんはどうやって一緒に寝るのかという日常的な問題がすぐに思いつきます。
さらに親戚や友人との付き合いなんかが加わると「変えなければならない価値観」というのはかなり膨大な量になると考えられます。


考えるだけ嫌になるというか、もう超大変ですよね...。


本作は、結婚を機に自らの友人関係や価値観を押し付けるようになったチャールズとそれに悩むベリンダという物語なのですがが、男性の無自覚な押し付けや理解のなさが不愉快でしょうがありませんでした。観ながら「チャールズ最低だな...」と思いながらも「実は俺もこんなこと言ってたら嫌だな...」とか考えてしまいました。家柄も仕事も立派なんだから俺の方が正しい的な不遜なチャールズの態度は本当にムカムカしてしまいました。
そしてたぶんそれにムカムカするということは、きっとわたしが自覚している嫌な部分が何かしらここに投影されているからなんだと思うと、余計に腹が立ってしまいチャールズのことがドンドン嫌いになってしまったのです。


こんなもはや壊れるしかないであろう夫婦関係を修復するためにラストで"ある案"が提案されるのですが、一度は劇中で行われたある行為を模倣しろというその案は、そこまで映画を観た人であればだれもが納得できるものであり、そしてその提案を観てタイトルの意味を知るというこの一連の流れはなかなか素敵でした。


長く付き合った者同士だと、あえて言葉にしなくても伝わるだろうとコミュニケーション不足に陥ることがありますが、過剰に一方が言葉を放つだけというのもある意味コミュニケーション不足になるんだなと思ったし、そういう時はしゃべらずに相手の一挙手一投足を観察することもよいコミュニケーション手段なんだなと感じました。
あとは普段とは互いの役割を逆転させるというのもよさそうです。


と、ここまで書いておいてなんですが、わたしは「結婚したら大変だよ!」ということを言いたかったわけではなくて「恋愛の延長線上という感覚でいると結構しんどいことも多いらしいよという情報を書きたかっただけでして、「らしいよ」というあいまいな書き方をしたのは、わたし自身は結婚する前も後もあんまり変わってないような気がしてるからなんですよね。
それってマコ*2とは学生時代から同棲していたというのも関係あるでしょうし、仲が良い友達には結婚前からお互い会ったりしてたのも影響しているのでしょうが、とにかく結婚して大変だったということはほとんど記憶にありません。もちろん、マコに言わせたら子育てやら何やら*3で大変だった...と言われる可能性はありますが、少なくともわたし自身はそんな感じです。


自分のことと照らし合わせて考えると生活レベルや価値観が同じくらいの人同士が気負いなく生活を共にするというのが、結婚で失敗しない一番いい方法なんだろうなと思うのです。

*1:別々でもいいんですがそれはそれで作るのが面倒という問題も孕みます

*2:

*3:怖くて書けない