- 作者: 米澤穂信
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2010/06/10
- メディア: 文庫
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バイト雑誌を立ち読みしていたビンボー大学生・結城は、ひとりの少女から声をかけられて……。この夏、鮮烈なミステリーがはじまる
http://www.amazon.co.jp/dp/4163246908
映画を観た後に原作である小説を読んでみましたが、とてもおもしろかったです。
映画では違和感のあったゲームに参加するまでの導入部はとても自然ですんなりと物語の始まりを受け止められたし、参加者が次々と殺されていく序盤から中盤にかけては死に瀕する人たちが感じている恐怖や怒りがとてもストレートに伝わってきました。また、作中では全体を客観的に説明するシーンがひとつ挿入されているのですが、その流れもとても自然でその違和感のなさもまたとても感心させられました。
ひとつ残念だったのは、映画を観てしまったためにどうしても作中の人物を思い浮かべるときにキャストされた人を思い浮かべてしまったところです。正直、原作のすばらしさに比べたら映画の出来は相当ひどいので原作を読むにあたって映画の事は100%忘れた方がよいのでしょうが、やはり映画を観たばかりということもあってどうしても映画とリンクさせてしまうのです。
「映画でもこんなシーンあったな」とか「あれ?映画だとこうじゃなかったのに原作はこうなんだ...」と考えながら観てしまい、何を観ても基準が映画との比較に陥りがちになってしまったのは悔しいなーと感じました。でも原作にも映画にも触れようと思うのであれば、映画→原作以外の流れはありえないですし、これはこれでしょうがないんだろうな。。。
というわけで原作未読であれば、映画を観ずに原作だけ読むのがベストだと思います。
どうしても映画が観たいなら、原作よりも先に観ることをおすすめします。原作を読んでから映画を観るとたぶんあまりの出来の悪さにイライラしてしまいそうです。
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