漫画や小説が映画化されるという場合、普段であれば原作には手を出さずに観るのがわたしのジャスティスです。
理由はいろいろとあるのですが、映画化されるということは原作がおもしろいのは間違いないわけですから、原作を読んでしまうと必然的に映画に対する期待値もグッと上がってしまいます。なにごともそうですが、過剰な期待はむだにハードルを上げるだけでちっともいい方向にははたらかないというのがわたしの持論ですので、とりあえず映画を観る前には原作を読まないということにしています。
そもそも原作を超える映画化作品ってほとんどありませんし、その理由は誰もがわかっているとおり、「実物の映像を観る」のと「静止画や文字だけの情報を読み手が脳内保管する」のでは圧倒的に後者の方が有利なんですよね。
だから先に原作を読んじゃうと大抵「原作の方がおもしろかった」となりますし、そうなるのがすごく嫌なのでなるべく原作は後回し(もしくは手を出さない)ことにしています。
ところが、この間観た「ヒミズ」に関してはなぜだかどうしても事前に原作を読みたくなってしまい、観に行く直前に原作を買って読んでしまいました。ひととおり読んでから映画を観に行ったのですが、やはりどうしても「原作との差異」や「原作と比べておもしろいかどうか」という点に着目してしまいました。
原作は原作でおもしろかったし、映画は映画で楽しめたのでよかったのですが、でも原作を読んでいなければ映画自体をもっと楽しめたような気がして「やっぱり原作はあとで読むべきだったかなー」なんてことを思ってしまいました。