「TEKKEN−鉄拳−」見たよ


時は近未来。世界は崩壊し、最大の権力を誇るテッケン財閥とそのCEO・三島平八(ケリー・ヒロユキ・タガワ)の全体主義的な支配下にある。テッケン財閥に母を殺された、ひとりの若き格闘家・風間仁(ジョン・フー)。彼は三島平八によって開催される格闘技大会“The King of Iron Fist Tournament”に出場し、復讐を狙う。しかし、史上最大のトーナメントの裏側には、恐るべき陰謀と秘密が隠されていた。仁は、世界最強の格闘家たちを破り、復讐を果たせるのか――?

『TEKKEN−鉄拳−』作品情報 | cinemacafe.net

MOVIX宇都宮にて。


わたしは昔から格闘ゲームが大好きでした。中学時代にストリートファイターにはまったことをきっかけに、ゲーセンには本当に長いことお世話になっていました。そんなゲーム人生の中でも、もっともゲーセンに通ったのは19-21歳の2年間だったと思いますが、この頃ちょうど流行っていたのが「ヴァンパイアセイヴァー」や「ストリートファイターZERO3」、「鉄拳3」といったゲームでした。
格闘ゲームに詳しくない人が大半だと思いますのでちょっと補足をさせていただきたいのですが、格闘ゲームにはストリートファイターに代表される「2D格闘」と、バーチャファイターに代表される「3D格闘」がありまして、今回挙げた「ヴァンパイアセイヴァー」や「ストリートファイターZERO3」は2D格闘ゲームであり、「鉄拳3」は3D格闘ゲームです。
元々わたしは2D格闘を主にやっていたので3Dの鉄拳はほとんどやっていなかったのですが、わたしが学生時代を送った山形では鉄拳がものすごく盛んでして、わたしもその楽しそうな空気に感化されてかじる程度でしたが鉄拳もやり始めたのでした。さほどうまくなりませんでしたが、プレイヤー人口がとても多くて対戦相手には困らなかったこともあってわたしの中ではとてもよい思い出のゲームになっています。


本作はそんな大人気の格闘ゲームの映画化作品ですが、ゲームをやったことがある人であれば思わずニヤニヤしてしまうほどそっくりさんがたくさん出てきて観る者を楽しませてくれます。その中でもダントツで笑わされたのは三島平八


(1) ゲーム


(2) 実写


この髪型の再現性の高さもあって、初めて平八が出てきたシーンで噴き出す人続出でしたが、これを見ても笑わずにいられる人は果たして本当に鉄拳というゲームを知っているのかどうか、そもそも鉄拳が好きなのかと怪しいといわざるを得ません。つまりはこのシーンを見ただけで、ここに集結しているのが真の鉄拳好きに違いないことに確信をもつことが出来たのです。この感度の高さは鉄拳好き以外ありえません。
そんな登場人物の再現性の高さはかなりハイレベルでこれだけでも原作ファンにとっては観る価値が十二分にあります。


ですが、とても残念なことにこの作品には2つの大きな欠点があります。それについて説明します。

大会運営がいい加減すぎる

この作品の中心イベントは格闘トーナメント、つまり格闘の大会なのですがここが本当にひどい。
と言っても格闘シーンが悪いわけではなくて、むしろ個々の格闘アクションシーンの出来のよさは原作ファンにとっては非常に満足のいくものになっているといえます。迫力が感じられてわたしはすごく好きです。


わたしがひどいと言ったのはそこではなくてもっと根本的な部分であって、まったくトーナメントではなかったことに非常に怒りをおぼえたのです。いったいどういうことかさっぱりわからないかも知れませんが、つまりトーナメントに参加している8人はトーナメント形式で戦うわけではなくて、何度も試合をさせられる人がいる一方で一度も戦わないで消えていった人もいるというよくわからない話の進み方をするのです。
8人によるトーナメントだったら2回勝てば優勝となるはずですが、なんだかそういう風でもなく、仁なんか3回4回と戦わされる一方でアンナは出てくるだけ出てきたのにマッチメイクをされないままに気付いたら消えていたといった具合にあまりにアバウトな展開で物語が過ぎさっていくのです。そりゃ主人公が戦うシーンが多い方が楽しいだろうけどさ....。でもそれだったらトーナメントにせずに勝ち抜きにするとかすればいいわけで、トーナメントとうたっている以上はそれに従って物語をすすめないとおかしいと思うのです。わたしは設定と違うことをやられたら気になりますし、一度設けた設定はぜひ守っていただきたいのです。


あと展開が強引過ぎるなというのも気になったけど、そのあたりはまあ許容範囲。

瀕死だったのに気付くと元気

瀕死だったのに仙豆でも食ったのか?と心配になるほどいきなり元気になるのはちょっと...。この間みた「彼岸島」もそうですが、弱っている人は弱ってるなりの動きをして欲しいと思うのですが、ストーリーの都合に配慮したかのように理由もなく復活されるとそんなことでいいのかと疑問がわいてきてしまいます。


と、残念な点はありましたし、例えばこれ以外にも平八やマーシャルローの扱いが不満に感じたりしましたが、細かいことをのぞけば全体としては悪く無かったです。原作好きだったらぜひ観てみていいんじゃないかと感じられる作品でした。


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