電話を取るのは誰の仕事?

おもしろそうな話題なので乗ってみます。

議論の的となっているのは、「電話を取るのは新人の役目だろ!」と怒鳴る先輩に向かって、「自分宛てにかかってくる電話はほとんどありません。どうしてボクが取らなくちゃいけないんですか?」と新入社員が言い返したエピソードだ。

「電話を取るのは新人の役目だろ!」は正しいのか : J-CAST会社ウォッチ

先輩のいう「電話を取るのは新人の役目」という発言は、たぶん昔からの慣習でその職場ではずっとそうしていたということなのでしょうからそれは脈々と受け継がれた事実を語っているだけなのでしょうし、間違ったことを言っているわけではないだろうという気がします。ですから、新人君は先輩のいうことを聞いてこの職場では電話を取りつぐことに全力を尽くすのがよいと思うのです


ただ、わたし自身とても怠惰な性格なので、新人の立場で考えるとこういった雑事を嫌がる気持ちはよくわかります。何よりも電話に出るという行為自体がとてもおそろしい作業であり、わたしも電話は大の苦手でした。電話はなるべくなら出たくないという新人君の主張には共感をおぼえたり、理解を示すことはむずかしいことではありません。
2年半前に書いた記事にも、いかにわたしが電話嫌いだったのかというエピソードを書き記しているくらい電話が苦手でした。

元々私は電話がものすごく苦手で、本当に形容する言葉の無いくらい話すのが下手でした。そもそも友達とだって電話で話すのは好きじゃありませんでした。そんな性格だったので入社当初は精神的に厳しい毎日を過ごしました。

会ったことも無い相手から訳の分からない質問をされたり、覚えのない事で急に怒られたりなんて事も日常茶飯事で、そんなのは本当に苦痛でしかありませんでした。

電話が苦手なやつ集まれー!! - 子持ちししゃもといっしょ

一方で、新人君の主張する「自分宛には電話はこないからでなくいいだろう」という言葉は、「自分宛の電話以外は出なくていい」という立ち位置を表明していると受け取れるのですが、これはひどい発言と言わざるを得ません。極端な受け取り方をすれば、かかってきた電話の振り分けは新人ではなく先輩社員がやればいいということと同義ですから、おいおい本気かよ...とあきれてしまうのです。


わたしの考えとしては、基本的に電話は新人の仕事...なのではなく、部門/部署全体の仕事です。
ただ、いきなり部門/部署の全員が本気で電話応対をしてしまうと、新人は自らが電話応対に慣れる機会の無いまま、時間だけが過ぎていってしまうことがほとんどだと思います。だから、電話応対を部門/部署全体の仕事にするために、まずはその仕事に慣れていない新人に電話応対をたくさんやってもらうということは決して非合理的なことでも不条理なことでもないはずです。
全員が出来るようになるために、優先的に電話に出てもらって慣れてもらうというのは悪い方法ではないと思うんですよねえ。


たかが電話。されど電話。
電話応対なんかやってらんねーという姿勢ではなく、電話応対程度のことは簡単に出来るよというアピールを新人のみなさんはした方がいいと思います。あと、最初から仕事を選ばない方が長期的に見れば楽しく仕事を続けられるんじゃないかなーと思うので、ぜひ電話応対めんどくせーと思っても、一度は引き受けてやってみてください。仕事上の知っている人が増えたり、普段座っているだけじゃ見えてこないものが見えたりと意外に得るものが多いことにおどろくかも知れません。