「30デイズ・ナイト」見たよ


30日間、太陽が昇らない冬のアラスカ。暗闇から湧き出るように現れたヴァンパイアたち。果たして彼らから逃れられるのか!? 『パール・ハーバー』や『ブラックホーク・ダウン』などで一躍スターの座に就いたジョシュ・ハートネット主演のヴァンパイア・ホラー。

『30デイズ・ナイト』作品情報 | cinemacafe.net

109シネマズ川崎にて。
先日観た「南極料理人」で知ったばかりなのですが、極地では一日中日が沈まなかったり逆に日が昇らなかったりということがあるそうで、前者は白夜と言われていてこれはわりとメジャーなのですが後者は極夜と呼ばれているそうです。
昨年シアトルに行ったときに20時を過ぎても日が出ていて明るいことにさえわたしは驚いてしまったわけですから、日が一日中沈まなかったり出なかったりなんてことを経験したらもう驚くどころじゃすまないくらいに衝撃を受けそうです。
本当に世界にはいろんなところがあるのだなと感心させられます。


本作はそんな朝が来ない極夜を舞台に繰り広げられる「ヴァンパイアたちによる田舎町襲撃作戦」の一部始終をお送りする作品です。
ヴァンパイアたちが日が昇らない30日間の間に人間を襲いまくろうと生き生きとはしゃぎまわるという、文字面だけ追うと楽しそうに見える作品なのですが、実際には相当えぐい映像が続いてかなり参りました。


そもそも、なぜ極夜を舞台にする必要があるのか?という部分については改めて説明することでもないのですが、簡単にまとめておこうと思います。


世の中にはヴァンパイアに人間が襲われる作品は数多くありますが、ヴァンパイアと人間が戦う作品っておおよそこんな感じの話になりがちです。

    1. 夜の訪れとともにヴァンパイア襲来!!
    2. 圧倒的な強さに蹂躙されてしまう人々!!
    3. 主人公一同、何とかもちこたえる...
    4. それでもさらに主人公たちを追い詰めるヴァンパイアたち
    5. あと一歩で全滅というところで朝日が味方してヴァンパイア逃亡or全滅


ヴァンパイアが日光に弱いということを盾にとってそれを切り札としてクライマックスにもってくるというのがお決まりになっていますが、そのお決まりパターンをひっくり返すという意味でも朝が来ない極夜という現象は大きな役割を担います。
朝まで逃げ切ればなんとかなるという救いを無効にして、30日間も逃げ切らなければならないという圧倒的な絶望を植えつける効果が生まれるのです。


そんなわけで来る日も来る日も隠れなければならないという状況は非常に緊張感があふれていてよいのですが、一方でこのヴァンパイアたちがあまりにアホっぽいせいで緊張感が自然と薄まってしまいます。30日もあるのに人間たちの居所ひとつ満足に見つけられないのってどういうことだよ...。
もっとしっかりと探せよと突っ込んでしまいました。


そういえば、映像としてひとつおもしろいシーンがあったのですが、ヴァンパイアたちが町の人々をおそいまくる様子を町を俯瞰するように映したシーンがあったのですがこれがすごく印象的でした。真っ白な雪景色が真っ赤な血で染められていくさまにはゾクゾクしたし、カメラを止めずに動かし続けてかなり広範囲をくまなく映すことで、この殺戮が町全体で起こっていてもはや逃げ場はないのだと宣言されてしまったようで恐れおののいてしまいました。


怖い物好きならぜひお勧めです。

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