「ビザンチウム」見たよ


海辺の寂れた保養地にたたずむゲストハウス“ビザンチウム”にふらりと身を寄せた16歳の少女・エレノアは、神秘的なまでに謎めいた美しさと孤独の影をまとっていた。8つ年上のクララに連れられ、見知らぬ街から街へと移り住んできた彼女は、決して他言できない秘密を抱えながら永遠の時を生き続けている。そう、エレノアは不老不死の血を吸う魔物、ヴァンパイアなのだ。その呪われた運命を受け入れたはずの彼女が、難病に冒されて余命幾ばくもない若者フランクと恋に落ちた。やがてエレノアとクララの固い絆が揺らめくなか、遠い過去からの追跡者の魔手がふたりに迫っていた…。

『ビザンチウム』作品情報 | cinemacafe.net


TOHOシネマズ宇都宮で観てきました。

大好きなシアーシャ・ローナンが出るというのは知っていたのですが、ある筋から「シアーシャ・ローナンがヴァンパイアになってみんなの血を吸いまくる」という情報を提供していただいたために何だかもういてもたってもいられなくて飲み会を早めに抜けて公開初日に観に行ってきました。「吸血鬼でありながらそんなに陽の光を嫌がることなく人々が生活をいとなんでいる日常の中に身を隠して生きる二人の女性」と「彼女たちを追いかける謎の男たち」を軸に描きつつ、吸血鬼と人間のラブストーリーも描くというたいへんユニークで意欲的な物語でした。

色白でかわいらしいシアーシャ・ローナンはとても吸血鬼らしく見えたし、やたら控えめに血をすする姿もとてもキュートに見えてしまってもうあの姿を見ているだけで大満足しちゃいました。なにあのかわいさ。いま、この世で一番血を吸われたい女優はシアーシャ・ローナンで間違いありません(言い過ぎ)。彼女の母親役を演じたジェマ・アータートンのセクシーな立ち振る舞いもステキでしたが、吸血鬼らしさで言えばやはりシアーシャ・ローナンには遠く及びません。


シアーシャ・ローナン最高!


さて。
本作を観ていて一番つらかったのは死を目前にして生への望みをつかもうとあがきすぎてしまったがゆえに、永遠の命という枷を得てしまった吸血鬼になった人たちの姿。

一時的な苦しみから逃れようとした結果、余計に苦しむことになるというのはなんだかとても悲しいことだと思わざるを得ません。生あるものが常に突きつけられる死という絶対的な存在を気にすることなく永遠に生きられることになったのに、でも何も救われてないじゃないというのがすごく切ないんですよね....。

ラストで「永遠に愛する人と過ごすことができる」ようになったためにそれがわずかな救いになるようにも見えたのですが、これも長い目でみればやはり悲しみを味わうのが先延ばしされただけに過ぎないわけですし、結局この世に生を受けた時点でこういった悲しさからはぜったいに逃れることはできないんだろうなということを思い知されただけでした。


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