「僕は運動おんち」読んだよ

僕は運動おんち (集英社文庫)

僕は運動おんち (集英社文庫)

運動も勉強もできず、落ち込みがちな高校生の勝。運動音痴から「うんちゃん」とあだ名され、同じ高校に美しい妹が入学してからは変に目立って、ますます死にたい毎日。そんな中、詩を書く柔道部の男子と親しくなり、彼の幼なじみである、髪の長い女子柔道部エースに恋してしまう。なぜか運動部にも入部するハメになり、学校生活は予想外の方向へ―。笑えて元気が出る青春小説。

http://www.amazon.co.jp/dp/4087464504

昨年の夏に読んだ同著者の「ショートストーリー」が結構気に入っていたので本作も期待していましたが、まさに期待どおりのすばらしい作品でした。運動も勉強も出来ない高校生が、その不器用さに絶望しながらも徐々に得意と言えるものを見つけていく過程がすごくグッときました。自分にも居場所があると感じられることの喜びが、まぶしく見える高校生活の魅力と相まってすごく気分が盛り上がりました。
高校生が書いた日記のような文体で書かれているという点も含め、読みやすくおもしろかったです。


著者の枡野さんは本業は歌人だそうで、「ショートストーリー」ではたくさんの短歌が披露されていました。小説の中に短歌がたくさん出てくるというのは初めての経験でしたがプロの書いた短歌と言うものに心惹かれました。本作ではその短歌に替わって詩が登場するのですが、この詩もまたものすごくキュートで読んでいるだけでニヤりと笑いたくなるようなものばかりなのです。ものすごくいい。
本文自体もすごく読みやすいのですが、詩もすごく魅力的で繰り返し読みたくなりました。


ショートソング (集英社文庫)

ショートソング (集英社文庫)

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