バーン・アフター・リーディング


ワシントンのフィットネスセンターで働くチャド(ブラッド・ピット)とリンダ(フランシス・マクドーマンド)が更衣室で拾った1枚のCD-ROM。そこにはCIAの機密情報が書き込まれていた。その頃、元CIA諜報員のオズボーン(ジョン・マルコヴィッチ)は自分が機密情報を紛失したことに気づき、狼狽…。オズボーンの妻・ケイティ(ティルダ・スウィントン)は夫の危機をよそに財務省連邦保安官のハリー(ジョージ・クルーニー)と不倫生活を満喫中。だが実は、ハリーは出会い系サイトで意気投合したリンダとも関係を重ねていた…。一枚のディスクをめぐり、5人が絡み合い、幼稚な企みによって事態は誰の手にも負えない結末へと転がっていく――。

『バーン・アフター・リーディング』作品情報 | cinemacafe.net

TOHOシネマズ宇都宮にて。
見終えて、あれがこうなってこれがこうなったとして結局何だっていうんだ...と作品の意図がいまいち汲み取れない作品でした。面白かったか面白くなかったかで言えばたぶん後者に属する作品ではありますが、それはひとえに作品に対する期待がのベクトルがずれていた事が影響しているような気がします。予告映像のイメージからはこんな作品とはちょっと予想出来なかったし、あそこから期待されるおもしろさとこの作品の実体は一致しないんだよなあ。予告を忘れてみたら違った視点で楽しめたんじゃないかなと思うと少し残念な気分になりますし、鑑賞前に作品の情報を知り過ぎるのはよくないなあと反省しきりでした。映画はニュートラルな状態で観るのが一番ですね。


全体としては上記のようなイメージを持った作品ですが、個々のシーンではクスクス笑えるところもありましたし、キャラクター一人一人の描き方は非常に緻密な上にブレがなく、とてもおもしろいと感じました。
中でもブラピが演じた「筋肉バカのチャド」というキャラクターは非常にいい仕上がりでわたしは彼の一挙手一投足に惹きつけられてしまいました。というのもこのキャラクターのモデルになったような人を前に見たことがあって、今作でのブラピがあまりに彼に似ていることに驚いてしまったのです。


今からさかのぼること10ヶ月ほど前の2008年7月にシアトルに行ってきました(その時のまとめはこちら)。
その時に「ライド・ザ・ダック」という水陸両用のバスに乗って市内を観光してこれが非常にたのしかったのですが、そのバスの運転手がこのチャドにそっくりだったのです。体はムキムキでとても強そうなのに実際に話してみると非常に柔らかい雰囲気をまとっていて、さらに音楽がかかると陽気にのってきてダンシングしちゃうというまさにチャドのキャラクターともろかぶりな人が運転手でした。
そんなわけでチャドを見るたびにあの運転手のことを思い出してしまいましたし、CIAだとか財務省連邦保安官だとか、いまいちリアリティが感じられない人々が多い作品の中で唯一「こういう人いるいるw」と思いながら観られるキャラクターとして、チャドの存在というのは非常に大きく感じられました。チャドのいない「バーン・アフター・リーディング」なんて観る気もしないと言えるほど大きな存在感を示していたチャドですがそんな彼も....、、、と、あまりたくさん書き過ぎるとネタバレしてしまうので止めておきますが、この作品で一番の驚きをもって迎えられたシーンだということだけは書き残しておこうと思います。


と、一部ネガティブキャンペーンみたいになってしまいましたが、先入観をもたずに観たらおもしろい映画だろうと思いますので過剰に期待せず、そして予告も何も観ないで観に行くことをお奨めします。



[追記]
ブログ検索をしてみたら公開日である昨日24日にこの作品を観てる人が多くて驚きました。
金曜日に公開される映画は初日の入りがいいという都市伝説のような話を聞いたことがあってその時は話半分に聞いていたのですが、意外に本当の話かも知れないなと思ったのでした。仕事帰りに観ていこうかと思う人のニーズがあったり、はたまた


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