「シュガー・ラッシュ」見たよ


シュガー・ラッシュ」、それはお菓子の世界でゲームキャラクターが繰り広げるレースゲームのこと。嫌われ者の悪役を演じ続けることに嫌気がさしたラルフは、ヒーローになるために自分のゲームを飛び出し、「シュガー・ラッシュ」の世界に迷い込む。そこでラルフは仲間はずれにされていたヴァネロペに出会い、孤独な2人は次第に絆を深めていく。しかし、異なるゲームのキャラクターである二人の出会いは掟に反することになり、このままではゲームの世界全体に災いをもたらすことになってしまうのだった…。

『シュガー・ラッシュ』作品情報 | cinemacafe.net

MOVIX宇都宮で観てきました。


わたしはアーケードからコンシューマーまで、ゲームであれば何でも大好き!というくらいゲームが大好きでした。

"大好きでした"と過去形なのは、最近は映画やランニングといった他の趣味におされてあまりまとまった時間をゲームには費やしていないからなのですが、それでも年に10本くらいは新しいゲームに手を伸ばしてほとんどは最後までクリアします。そして毎日ではありませんが月に数日は、寝る前のちょっとした時間を見つけてPS2の「ヴァンパイアセイヴァー」を30分くらい一人プレイしてから寝ます。



ヴァンパイアセイヴァー」おもしろいですよ!(ステマ



さて。

本作はゲームの中の世界を舞台とした映画なのですが、じつはゲームを扱った映画というのはわりとめずらしくなくて、たとえば「バイオハザードシリーズ」や「サイレントヒル」、「ストリートファイターシリーズ」や最近だと「プリンス・オブ・ペルシャ」や「TEKKEN -鉄拳-」といった感じでゲームを原作とした映画は少なくありません。

ただし本作「シュガー・ラッシュ」は上述したような単体のゲームの映画化ではなく、もっと幅広い「ゲームの中の世界」を描いた作品だと知って非常に興味をもっていました。果たして複数のゲームが同一の作品に同居するなんてことが可能なのか?と不思議でならなかったのですが、でも映画館に行くたびにかかる予告は観れば観るほどたいへんおもしろそうでしたので、予告を眺めながらはやく公開してほしいなとずっと楽しみにしていました。そして観てみての感想は、その期待に120%こたえてくれるすばらしい作品でした。


本作はゲームセンターにあるアーケードゲームの中の世界を舞台にしているのですが、ゲーム筐体ごとに分断された世界として構築するのではなくゲームセンター全体をひとつのつながった世界として組み立てられています。そのおかげで筐体の向こう側にあるゲームの世界がとても広大で奥行きのあるもののように感じられました。

くわえて本作にはわたしの大好きなスト2からリュウとケン、ザンギエフやベガが出ていたし、それ以外にもクッパソニックといった知っているキャラクターもたくさん出ていて画面の向こう側にある世界をより身近なものに感じられました。そしてそんななじみ深いキャラクターたちが自我をもって日々を過ごしているのを観ていたら自分もあの世界に行ってみたいというあこがれの感情を抱かずにはいられませんでした。


昔から知っているキャラクターがスクリーンに出てくるだけでもテンションがグッとあがるのに、それぞれのキャラクターや住む世界がつながりあっているというのはズルい!としかいいようがないくらいもう惹かれちゃったんですよね。あの世界観はとてもよかったです。


 そんなすてきな世界を舞台にして描かれるのは、ゲームに存在するバグだとゲーム「シュガー・ラッシュ」の中で仲間たちからつまはじきにされていたヴァネロペと、ゲーム「フィックス・イット・フェリックス」の敵役として30年間ゲーム内の仲間たちから嫌われ続けたラルフの友情譚です。


出会ってすぐのころはひとつのメダルを奪い合って争ってばかりの二人でしたが、自分がプログラムされているゲームの中に仲間のいない者同士、そしてその仲間に認めてもらいたい一心でなにかを手にしようとがんばっている者同士、少しずつ相手への理解を深め、そして共感し、じょじょに仲良くなっていきます。


最初は自分の夢をかなえることばかり考えて躍起になっていた二人が、次第に打ち解けあっていくことで自分の夢よりも相手の夢の実現や幸せになることを考えてそれを助けたいと心境が変遷していくところにすごく胸が高鳴りました。長いあいだみんなからメダルを贈られるようなヒーローになりたいと願っていたラルフが、そんなヒーローよりもたったひとりの少女にとってのヒーローになりたいと行動を起こした瞬間に胸にわきあがってきた興奮を感じながらこの作品はうたがいようのない傑作だと確信しました。


オチもふくめてストーリーはとてもおもしろかったですし、ポップな色彩の画面やゲームという題材をギミックとして作品の中に取り入れる工夫の数々には本当に感激をおぼえました。子ども向けと思わずに多くの方に観て欲しいですし、とくにわたしと同年代のゲーム好きにはなにをさしおいてもぜひ観ていただきたいです。


先日ドラえもんを観に行ったときにこの作品の予告を観た長女が観たいと言っているので、春休み中に彼女を連れてもう一度観に行こうと思います。


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