「ヘルタースケルター」見たよ


美・名声・金・愛、そんな欲望にまみれた芸能界で光り輝くトップスターへ上りつめた、りりこ(沢尻エリカ)。しかし、彼女には誰にも言えない“究極の秘密”があった…。全身整形で“つくりもの”の美をまとったりりこは、世間の突き刺さる羨望に灼かれながら、欲が渦巻く世界をめちゃくちゃに疾走していく――。

『ヘルタースケルター』作品情報 | cinemacafe.net

TOHOシネマズ宇都宮で観てきました。


昔、沢尻エリカが主演した映画で「シュガー&スパイス」という作品がありました。

見た目普通の男の子(柳楽優弥)が、アルバイト先にきたかわいい女の子(沢尻エリカ)に誘われて仲よくなって毎日ウキウキ過ごしていたけど、彼女がイケメンの元カレとよりを戻したので捨てられましたというお話でして、このあらすじを読んでお察しのとおり全然おもしろくありませんでした。

ただ、それでも沢尻さんのかわいい姿を見られたというだけでそれ相応の満足感を得られたのも事実でして、この作品を観てあらためて彼女のカリスマ性や魅力を再認識したのです。

シュガー&スパイス」の劇場公開は2006年でしたが当時の沢尻さんの人気っぷりはとてもすごくて、さらにテレビドラマの「タイヨウのうた」や「手紙」という映画での好演が話題となって、あっという間に人気者の地位を確立しました。


そんなわけで彼女の人気はとどまることを知らずうなぎのぼりで急上昇しましたが、のぼった勢いと同じく、ある出来事をきっかけにその人気はいっきに底まで堕ちることになります。


翌2007年に彼女の主演作「クローズド・ノート」が公開されましたが、それが終わりの始まりでした。

まだ5年前のことなのでおぼえている方もいるかも知れませんが、舞台あいさつで不機嫌そうにふるまい、その態度がマスコミや世間から叩かれました。ちょっと態度が悪かっただけであそこまで叩くのか!と憤ったことをよくおぼえていますが、でも一ファンでしかない私にはどうしようもなくてただただ見守るしかできなかったことがとてもさみしく感じられてなりません。


この事件以降、彼女はテレビや映画から姿を消して芸能活動はいっさい止め、人気者から一転、ただの人へと戻りました。もちろん、すぐに無名の人に戻れたわけではありませんし、ワイドショーでもちょいちょい彼女の動向を報じたりしていましたが、芸能活動はまったくしておらず女優としてはもう終わった人となったのです。


そんな人気の絶頂から落ちた経験をもつ沢尻エリカが、彼女自身と似たような末路をたどることになる「りりこ」という役を引き受けて、そしてそれを見事に演じきったことは本当にすごいことだと思います。全体的に不安をおぼえる演技ではありましたが、それでもおっぱいを丸出しにしたりマネージャーに自分の恥部をなめさせるシーンがあったりと、まさに体当たりでの挑戦という言葉が似つかわしい頑張りはとても好印象でした。

そんなわけで、演技の拙さがかえってリアルなりりこの痛々しさとして感じられました。


ですが、残念なことに沢尻さんがりりこという役を演じたということ以外はまったくもって興味を引く内容ではなく、率直に言えばがっかりしたとしか言いようがありません。

たとえばストーリーはあってないようなものでしかなく、りりこの凋落を抑揚のなく描いているだけでまったくおもしろみがありませんでした。また、色彩あざやかで目を引く映像も一時的には目を引くもののずっと見ていたいと思うほど魅力あるものではないうえに、しつこく似たような手合いを繰り返されるとうんざりしてしまいます。

特に私にはこの作品の映像がとてもつまらなく感じられまして、動きのないストーリーと連動するようにまったく動きが感じられない写真のような画の連続に、まるで紙芝居をみているような気分になってしまいました。見ている途中で「そういえば蜷川実花さんって写真家だったな」ということを思いだし、一瞬を切り取ることで生み出されるインパクトを好む写真家らしい映像だったなと納得しました。



こんな感じで、静止画で観ればとても美しくて目を引くのですが、映像で観るとただコントラストがくっきりとあざやかなだけで動きの感じられないおもしろみのない映像でしかありませんでした。


それと、りりこ以外のキャラクターでもっと印象に残る人がいればよかったのかも知れませんが、みんな風変りだけどさほど魅力は感じられない人たちばかりだったのも残念な気がしました。


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