「ナツイロ」読んだよ

ナツイロ (集英社文庫)

ナツイロ (集英社文庫)

大学のリゾートバイト研究会に所属する田中譲。とある出来事で大学から遠ざかり、住み込みのみかんアルバイターとして、ひとり愛媛へ。1歳下のシンガーソングライターの女子と出会う。次第に彼女のペースに巻き込まれ、アルバム製作の費用を用立てて、一緒に曲作りをすることに。彼女に振りまわされた季節は、それでもやっぱり輝いていた。青春まっただ中の男子と女子の物語。

http://www.amazon.co.jp/dp/408746850X

気弱な青年がバイト先で出会ったシンガーソングライター希望の女の子に振り回されるというお話でしたが、読みながらも読み終えてからもモヤモヤとした感情がどうしてもぬぐえない作品でした。

「みかんの収穫時期だけ住み込みで働く」というみかんアルバイターの様子がとても楽しく描かれていたし、大学生が地方(田舎)で過ごす夏特有の空気がうまく文章に練り込まれていて自分が学生のときのことをほうふつとさせられたりと全体的には悪くなかったし、すごくよかったんですよね。


ただ、このシンガーソングライターだというリンという女の子のキャラクターがひどいんですよ...。
自分勝手にもほどがあるというか、しかも反省したのかと思えば結局なにも変わらず周りに迷惑かけてばかりの自由奔放さでして、メインキャストなのに彼女が出てくるたびにイライラして読むのが嫌になってしまいました。


これ本人がダメなのは当然として、周囲の人も甘すぎるよね...。
なんで許しちゃうんだろう...っていうか、そういう「何をしてもしょうがないなあ」って許されるキャラクターとして描かれていたのかも知れませんが、これはもうダメ。


ストーリーラインはすごくきれいにまとまっていたし、内容もすごく好きなんだけどリンのキャラクターだけはどうしても受け付けませんでした。