漫画家をめざす、ちょっぴりヘタレな書店員の光は、世界的な照明アーティストのソヨンと偶然知り合い、一瞬で恋に落ちてしまう。彼女を“運命の人”と思い込み、幼なじみの杏奈に相談するが、なんとソヨンと杏奈は仕事仲間。そして、杏奈もまた、子どもの頃から光に秘めた恋心を抱いており…。
『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』作品情報 | cinemacafe.net
生田くんが出るということで楽しみに観に行ったのですが、居ても居なくてもいいレベルの扱いをされておりたいへん不本意でなりませんでした。ポスター(↑の写真)を見る限り、男女4人の出会いを描いた群像劇を期待していたのですが、どうやら相葉くんが主演でその他3人はおまけ的な作品だったようです。
マジか...。
「それだったらいかにも4人の物語ですみたいな感じで並列に並べんなよ...」と文句を言いたくなったのですが、観てしまったものはしょうがないととりあえずできるだけ楽しんで観てきました。
本作は「みんな、片思い」というサブタイトルが表すとおり、男女が恋にいそしむ様子を描いた作品なのですが、平成も26年目を終えようとしているこの年にまさか山下達郎の「クリスマス・イブ」が主題歌として使われる映画が出てくるとは思ってもいませんでした。
いやすごくいい曲だし好きなんですけどね...。
相葉くん演じる光は、書店員として働きながら漫画家を目指す優柔不断で気の弱い男性という役どころ。
あまりにいい人過ぎて自分が悪くなくてもすぐに謝っちゃうし、あまりにペコペコし過ぎて大好きなソヨン(ハン・ヒョジュ)からは鳩呼ばわりされるのです。かわいそう過ぎるだろ。
そんな気弱でいい人な光ですが、彼はストレスを溜めこむと自作のポエムに絵を付けて街にばらまいてストレス発散をするという不安定な一面も持ち合わせています。そんなポエムに描かれているのが光が子どものころから描き続けてきたキャラクター「デビクロくん(デビルサンタクロースの略)」だそうでして、それがこの作品のタイトルにもなっています。
いい人っぽさを感じさせる点は相葉くんのキャラがすごくマッチしていてよかったと思うものの、結局最初から最後まで受け身でヘタレで鈍くてどうしようもないクズみたいな男で終わってしまったために何だか救われないなという気分になりました。
次に光のことが大好きな幼なじみ「杏奈」を演じたのが榮倉奈々さん。
手先は器用なのに自分の気持ちを伝えるところはすごく不器用で、大好きな光への想いを隠して光の恋をサポートする健気さやところどころで自分の気持ちに素直になろうとしてがんばるところがすごくかわいらしくて最高でした。彼女の表情や一挙手一投足はこの作品唯一の見どころです。
幼なじみだからこそいっしょに過ごせるわけで、もし告白してフラれちゃったらもうこんなふうには過ごせなくなるかもしれない。
そう思うと結局何も言えないし何もできなかったんだろうなと。
にぶくてどうしようもないダメ男を好きになってしまうところや、絶対に相手に自分の感情を悟られないようにひたすら隠そうとするところなんかが「虹の女神」の佐藤あおいを思い出してしまいました。
あまりに榮倉さんがかわいすぎてこんなエントリーを書いてしまいました。
そして光が恋をする相手ソヨンを演じたのがハン・ヒョジュさん。
以前「ただ君だけ」という映画で一度だけ彼女のことを見たことがあるのですが、すごくいい表情をする人だなと言う印象を受けました。あの作品、すごく好きなんですよね。改めてこの作品で観たらすごくきれいな人だと思ったし、全部ではないけれど日本語でセリフをきっちり話しているところはさすがだなと感心しました。
そして最後は生田くん演じる北山。
北山は光の大学時代の友人であり、いまは売れっ子漫画家として活躍していて大人気という設定ですが、とにかく作中に出てこなくて生田くん目当てのわたしは終始やきもきしていました。この扱いは非常に遺憾です。
そういえば上でも書いたとおりこの作品には「みんな、片思い」というサブタイトルが付いているのですが、これってよく考えるとすごくおかしいんですよね。
- 「杏奈」は「光」に片思い → わかる
- 「光」は「ソヨン」に片思い → わかる
- 「ソヨン」は「北山」に片思い → わかる
- 「北山」は「光」に片思い?? → わからない
「北山」が「杏奈」に片思いだったらすべてまるく収まるのですがこの二人にはまったく接点はありません。
そうなると北山と接点があったのは光だけ...。もしかして!!(冗談です)
いやもちろん最終的には北山の想い人はソヨンということになるのでしょうが、それだと別れていたというだけで片思いではないので「みんな、片思い」っていうのは違うかなと思うのです。
まあどうでもいいですけど。
@MOVIX宇都宮で鑑賞
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