DRAGONBALL EVOLUTION


亡きおじいちゃんの遺志を受け継ぎ、世界中に散らばる7つの“ドラゴンボール”を集める旅に出た、孫悟空ジャスティン・チャットウィン)。その目的は、全て集めるとどんな願いも叶うというドラゴンボールを狙う、ピッコロ大魔王(ジェームズ・マースターズ)の世界征服の野望を阻止するためであった。旅の途中で、悟空はドラゴンレーダーを頼りにドラゴンボールを探すブルマ(エミー・ロッサム)と出会い、亀仙人チョウ・ユンファ)の下で厳しい修行を積み、武術の腕に磨きをかける。やがて、武道家としても、人間としてもたくましく成長した悟空は、ブルマや亀仙人たちの助けを借りて、ピッコロ大魔王と人類の未来をかけた最後の闘いに挑む――

『DRAGONBALL EVOLUTION』作品情報 | cinemacafe.net

[注意]
作品の内容に触れることも書いているので、ネタバレの嫌な人はご注意ください。


MOVIX宇都宮にて。
先日テレビでこの映画のCMが流れていて、それを観ながらマコ*1と"ドラゴンボールの実写版はおもしろいのかどうか談義"をしていたのですが、そのうち「あの緑の人(たぶんピッコロ)って大帝の剣に出てた竹内力みたいじゃない」「そう言われてみれば...」「あれって竹内力なの?」「たぶん違うんじゃない?」と、どんどん盛り上がってしまい、そんな会話を続けるうちに実はすごく面白いんじゃないかという気がしてきたのです。
それ以来、どうもこの作品に対する期待が膨らみすぎてとても今週末まで待ちきれなくなったので、先行レイトショーの初日に行って来ました。


観終わっての感想は良くも悪くもドラゴンボールの名を借りただけの典型的なハリウッドアクション映画だなあ...というものでして、予想の範疇を超えるような作品ではありませんでした。すごくおもしろいわけではないし、でも全然ダメと感じてしまうほどどうしようもない作品でもありません。もしドラゴンボールの実写化だと言われなければ、観ている間はそれなりに楽しめるけど観終わったらほとんど印象に残らないようなそんな作品なのです。


本作を観て感じたのは冒険が足りなかったなという印象です。
冒険とはアドベンチャー要素と言う意味でもそうですし、おもしろいことをしてやれみたいな冒険心という意味でもあります。期待し過ぎていたのかも知れませんが、観終えても何だかとても物足りないのです。
本作が原作から受け継いでいるのは、10人に満たない程度の登場人物(の名前)と、ドラゴンボールを集めて願いをかなえるというようなかなり漠然としたレベルでのあらすじくらいのものです。そもそも、2時間で描ける内容などたかが知れていますから、シリーズ化する気がない以上は原作に忠実にすることにこだわり過ぎずにやるべきだと思いますし、その点では原作と距離感をもって描いているのはすごくよい試みだと思います。
ですが、それでもやはり原作ありきでの実写化なわけですから抑えて欲しいポイントというのはもっとしっかり抑えて欲しかったなと思うのです。悟空が強くなる過程で行う修行があまりぬる過ぎて、結局何で悟空が強くなれたのかさっぱり理解出来ないのも残念に感じられたし、そもそも悟空が「女の子にモテたい」などと口にするなど、どのシーンを観てもあまりに原作との間に壁があってその違いに興醒めしてしまうのです。おもいっきり忠実にする必要はないのですが、ここまで変えられてしまうともはや原作のイメージは映画を観る上で邪魔にしかならないんですよね。原作を大事にされていないようで、その点はとても悲しく感じられました。


と言うわけで原作がとても好きな人は、原作のことは完全に忘れてまったく別の作品として観に行く覚悟がなければ観ない方がよいです。「昔、原作が大好きでジャンプを毎週買ってたよ」なんて人には何があってもおすすめ出来ません。
例えば、修行中に悟空とチチが乳繰り合い始める(というのは嘘でちょっと濃厚なキスをするだけなのですが)のを観て「悟空がこんなことをするなんて...」と原作との乖離に落ち込んだりしない人や、悟空が銃で撃たれただけで瀕死になったことにがっかりしない人や、そんな瀕死の悟空に亀仙人かめはめ波を打ち込んだら元気になるということに違和感を感じない人や、さらにはかめはめ波を打った悟空がなぜかかめはめ波と一緒に飛んでいくのを笑って観られるような心の広い人であれば十分に楽しめるとは思いますので、そういう人はぜひ劇場に足を運んでみてください。


公式サイトはこちら

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