破壊神ビルスとの闘い後、再び平和が訪れた地球にフリーザ軍の生き残りであるソルベとタゴマが、ドラゴンボールを求めて近づいていた。その目的は、軍の再起のためにフリーザを復活させること。宇宙史上最悪のその願いは遂に叶えられ、蘇ったフリーザは悟空たちサイヤ人への復讐を目論む…。
『ドラゴンボールZ 復活の「F」』作品情報 | cinemacafe.net
「ドラゴンボール」はわたしが小学生のときに人気のあったマンガであり、小学生時代の後半の多くをドラゴンボールを観て育ちました。中学になって以降も毎週ジャンプを楽しみにしていたのですが、高校に入ったあたりからまったく読まなくなってしまいました。なんかリアリティのないバトルがまったく楽しめなくなっちゃったんですよね。
そんなわたしにとってドラゴンボールでもっとも強かった敵として記憶に残っているのはフリーザです。
ドラゴンボールは主人公の悟空が次々と現れる強敵に打ち勝つことでどんどん強くなっていくという設定の性質上、敵の強さもとどまるところを知らない速度でインフレを起こしていました。例えば今まで一番強かった敵の強さを10とすると、次に出てくる敵の強さは20や30ではなく100になり、さらにその次に出てくる敵は200とか300ではなく1000や10000の強さになるという具合で強くなるのです。
グラフを書くときには対数グラフに書かないとわけがわからなくなるくらい敵が強くなっていくのがドラゴンボール一番のおもしろさだとわたしは思っているのですが、わたしにとってその強さのインフレの最高到達点がフリーザだったのです。もちろんフリーザ以降も話は続いているのでもっと強い敵は出てきているのですが、わたしがまともに読んでいたのがフリーザ編までなのでわたしにとってはフリーザが最強の敵なのです。
初めてフリーザが出てきたときはそのあまりの強さに愕然としたものでして、しゃべり方がやたら気持ち悪いし性格も最低なのに死ぬほど強いという最悪・最凶な存在感がとても強烈に印象に残っています。
前作「ドラゴンボールZ 神と神」がわりとおもしろかったのと、そんなわたしにとっての最強の敵フリーザの復活という内容にとても興味があったので公開直後にそそくさと観に行ってきました。
本作の内容は「フリーザの部下がドラゴンボールでフリーザを復活させて復讐しに地球にやってくる」というとてもシンプルなものでしたが、クリリンたちの活躍の場もあり、悟空たちの本気バトルもありととてもおもしろかったです。とりわけ亀仙人がおそろしく強く描かれていたのは意外過ぎて思わず吹きだしました(笑)
前作の破壊神との戦いを通じてかなり強くなった悟空ですが、そこはドラゴンボールのお決まりどおり、敵対するフリーザは数ヶ月の特訓を経て悟空たちと同じかそれ以上の強さを身に付けて戦いを挑んできます。実力が拮抗した者どおしの戦いということで一進一退の戦いがとてもおもしろかったです。
あとは戦いが激化していくとそれにともなって地球がどんどん壊されていくハチャメチャさもまた大変ドラゴンボールらしくてよかったです。
ただ、一点だけ残念だったのは全体的に緊張感に欠けていた点です。
以前は圧倒的な暴で他者を支配する恐怖の対象でしかなかったフリーザですが、今作では悟空もベジータも以前に比べるととんでもなく強くなっているためにそこまで突出した存在としては描かれていません。前は「フリーザという最強の敵にどこまで食い下がれるのか」ということでフリーザが強さの基準として描かれていたのに、今作では強さの基準はあくまで現時点での悟空やベジータであってそれと同じくらい強い存在としてフリーザが描かれているためにフリーザに対する畏怖がまったく感じられないのです。
「どうやってこの強大な敵を倒すのだろう?」という疑問もわいてこない程度の敵として描かれていたフリーザがやや不憫でならないなと思いながら鑑賞していました。
そもそも破壊神ビルスとウイスという、悟空やベジータよりもさらに圧倒的に強い存在がいることが緊張感の喪失を招いているような気もします。この2人のキャラクターは好きだから別にそれはそれでいいんですが、だったらフリーザをいまさら出さなくてもよかったじゃんと思ったのでした。
@MOVIX宇都宮で鑑賞
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