バグズワールド


サバンナの奥地に、数メートルにも及ぶ巨大なオオキノコシロアリの巣が点在している。それぞれの巣では一匹の女王アリを中心に数百万匹のシロアリが、SF の未来社会のように秩序正しく管理された帝国を築いている。その無敵の要塞に、集団で放浪しながら行く手にあるものを食い尽す凶暴なサスライアリの二千万匹にも及ぶ軍団が迫っていた…。厳しい自然界に生きるアリたちが、命を賭けて外敵と天災から自分たちの“城”を守る姿に迫る、ネイチャー・ドキュメンタリー・ドラマ。

『バグズ・ワールド』作品情報 | cinemacafe.net

TOHOシネマズ宇都宮にて。
自分たちで城を築ける賢い「オオキノコシロアリ」と、城は作れないけれど行く手を阻むものはヘビでも虫でも食べちゃうぞ!!とかなり暴力的な「サスライアリ」のそれぞれの生態と両者の戦いを描いたドキュメンタリードラマ。アリの生態を描いたという点においては本当にただそれだけの作品なのですが、とにかく映像がすごいのです。圧巻の一言に尽きます。オオキノコシロアリの巣穴が作られていく様子やその穴の中の様子、サスライアリが群れをなして大きな生物(例えばヘビだとかバッタだとかそういう)を食い尽くすシーンなど、もう今まで見たこともないような映像があふれていて、自分の知らない世界の広さをつよく意識させてくれる作品でした。


ただ、この作品は半端なホラー映画などよりも、よほど観る人を選びます。
たぶんわたしの感覚だと5人に2人くらいはこの作品に耐えられないのではないかと思っているのですが、そう思う理由は映像があまりにすごすぎるのです。アリが10匹,100匹群がっているのを見ても全然なんとも思わないし、触るのも別に嫌じゃないし、さらにその群がっている様子を見ながらご飯を食べても全然余裕なくらい虫耐性は強いわたくしですが、この作品の映像は時折ぞくっとするくらい強烈で大数のおそろしさを身にしみて実感しました。作品の冒頭で映されたオオキノコシロアリの旅立ち直後の映像とか、サスライアリが荒野を集団で移動する映像はなかなかのインパクトなので、気持ち悪い系の映像が好きな人にはたまらないと思います。そういう人にはお勧めですが、グロ映像とか苦手な人は積極的に避けた方が賢明です。


アリ vs アリという、テーマだけ取り出して考えてみると至極どうでもよさげな作品なのに、最後はアリの勝ち負けに一喜一憂して盛り上がってしまいました。これはアリの生存競争というテーマをとおして、アリと同様に自分たちも生き残りをかけて戦わないといけないという危機感を大いに煽られたためだと感じています。
興奮しながら最後まで観たのですが、観た後にこれからについて真剣に考えないとなー...と少しブルーになる作品でした。


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